映画『首』38点2023年11月23日映画館で観た。 | 超映画批評  ◆お金を無駄にしない為に、映画館に行く前にこのブログを見て下さい。

超映画批評  ◆お金を無駄にしない為に、映画館に行く前にこのブログを見て下さい。

映画の批評です。映画を忖度なしで、批評します。映画館で駄作を見て、お金と時間を無駄にしない為に、映画館に行く前のこのブログを読んで下さい。

 北野武が、30年の構想の末に生みだした大作歴史映画。

 

「織田信長を討ち取った真犯人は誰か?」、という手垢に満ちた作品を、そこそこ観られるエンターテインメント作品に昇華した手腕は流石、世界のタケシだと痛感する。

 

 だが、あまりにもゲイ要素が前面に出て来て、萎える。

 

 正直、ゲイの人達を馬鹿にしているとしか思えない。昨今の風潮を鑑みて、ゲイを沢山出した、というのは理解できるが、明智光秀と荒木村重がゲイの関係で、織田信長と明智光秀もゲイの関係というのは、あまりにも飛躍し過ぎていて、笑えないし、歴史映画の重みが消える悪い要素だった。

 

 とある場面で、明智光秀が、織田信長への愛を主張するという珍場面が、あるが、悪い方向に作用して、エンターテインメントの面白さを削いでいる。

 

 当時の戦国時代の衆道(ゲイの関係)は、大人と少年との性愛関係や、少年同士が主軸である。

 中年になった明智光秀、荒木村重、織田信長が、ゲイの関係というのは、現実感がなく、歴史的に間違いなので、しらける。

 

 

 

 荒木村重と明智光秀、織田信長の三角関係など必要ない。現実のゲイの人達も、こんな書かれ方をしたら不愉快なだけだろう。

 

 余談だが、本当のロリコンや、LGBTの人達は、昨今の映画にやたらとLGBTのキャラクターが出てくるのを、苦々しく思っているのではないだろうか?

 

 ロリコンや、ゲイ、レズビアンの人達への差別は無くすべきであるが、映画にロリコンやゲイが出たからといって、現実の差別がなくなる訳がない。

 

 さて、話を戻すが、役者の演技が本当に上手い。この映画は、北野武の脚本と演出能力、そして、役者の演技でもっている。キャスティングの勝利とも言える作品である。

 

 北野武の怪演が、本当に素晴らしい。北野武の秀吉を観るだけでも、金を払った甲斐があると思える。北野武が、75歳という高齢に為に、発声が老人であり、往年の迫力と言葉のキレが無くなっているが、それを差し引いても、良い演技だ。

 

 秀吉が、中国大返しで、川を渡るときに、ゲロを吐くシーンがあるが、非常にリアリティがある。

 

 

 だが、肝心の戦争描写やアクションが、やはりハリウッド映画や、海外ドラマと比べると迫力不足。

 

 日本政府は、韓国政府に習って、映画業界に、1000億円程度は、資金援助をするべきだろう。世界規模でビジネスをすれば、十分収益は取れる。

 

 今回の映画は、ゲイ要素がなければ、もっと高得点だった。北野武の次回作に期待する。