優子さんは言った。



『傷つけあうばっかが喧嘩じゃねえ、大切な何かが、見つかるときもたまにはある』

と、そんな言葉がよぎったのは喧嘩の後だった…


人気の少ない暗い夜道を、一人の男が音楽を聞きながら歩いていた。


そこへ若い男の三人組が近寄ってきた…

『ちょっと、ねぇお兄さん』


声は聞こえていたが、聞こえないふりをして無視した。

しかし、しつこく後をつけてくる男達。


すると、キャップを被った男がイヤホンを外し、


『シカトこいてんちゃうぞコラ!』


と、怒声を浴びせてきた。

B系の男が、

『何聞いてんねん?』

と、イヤホンを耳につけた。


『AKBやんけこれ!オタクかお前?』

(お前って。明らか年下やん!AKB聞いてたらオタクなん?はぁ?)

なんて思いながら、大人の対応をした。

『なんなんですか?返してもらっていいですか!?』

イヤホンを取りあげ、立ち去ろうとした時、さっきまでガムをクチャクチャ食べていた男が、肩に手をかけ、


『ちょっ待てや!金出せコラ!』

(えーマジっスか!今時カツアゲとかあるんすか?)

なんて思いながらも、また大人の対応をした。

『勘弁して下さいよ!ないですよ。』

『ええから財布出せや!』

『ちょっと止めてくださいよ!』

キャップの男が胸ぐらを掴み、

『ええからはよ出せや!』

その瞬間シャツのボタンが弾け飛んだ。

『チッ!』

『なんじゃ!お前!やるんか?あぁ?』

『マジでやめてもらえないですか?いい加減にせんと』

『ほんならはよ出せや!』

と、掌で頬を叩いてくる。

カッチーン。

『もうええから、消えろ!な?』

と言い放ち、立ち去ろうとした時、またもやガム男が肩に手をかけてきた。


その瞬間、背負い投げでガム男を投げ飛ばした。男は立ち上がれない。


『しつこいねんなぁ、お前ら』

するとキャップ男が殴りかかってきた。

それを交わし、一応気を使って、利き手じゃない方で、顔はやめてあげて、お腹に一発入れた。

男は嘔吐した。

(やり過ぎたかなぁ)

なんて思い、B系を睨むと、手には何かを持っていた。

『それでまだやるんやッたら、手加減せぇへんからな!』

更に睨むと、B系は手に持っていたものをしまい、


『悪かった!勘弁してくれ…』

声が震えてるせいか、途中何を言ってるか聞こえない。


『悪かったじゃないやろ?すいませんやろがコラ!』

『すいません!』

『すいません!』

『すいませんでした!』


『お前ら次この辺で見かけたら…』


B系はガムとキャップを抱えて夜の街に消えていきました。



冒頭は後付けですが、今宵こんな事がありました。


何も見つからなかった喧嘩でした。



信じるか信じないかはあなた次第です。