「枯れ畑 鴉を狙う 白い猫」 がらくた文士



雪のように白い猫が、畑に降りた鴉に忍び寄っているところを目撃した。



猫はしっぽを立てて、くねくね動かしている。


心理状態が、そのしっぽに現れているというわけだ。



徐々に猫と鴉との距離が縮まる。



しかし、鴉は飛び立とうとしない。


気づいているはずなのに。



そこに突如、


冬の空から一羽の鴉が猫めがけて滑空し、襲いかかる。



鴉の鉤爪が猫を攫もうとしたそのとき、


襲撃をさっした猫がとっさに白いからだを伏せて、その鉤爪を躱した。


まさに危機一髪だった。


鴉の爪は虚しく空気を裂いたのだ。



さっしなかったら、


白い猫のからだが赤く染まり、


枯れ畑に、血を散らしたかもしれなかった。



肝を冷やした猫は、


その場にうずくまって、それっきりじっと動かなくなってしまった。



畑の鴉はわざと逃げなかったのか。


猫の注意をこちらに引きつけておいて、


仲間の鴉に襲わせるという連携プレイだったのか・・・?



鴉はかなり頭がいいって聞くし・・・。



猫と鴉の対決シーンに心が奪われた。


凄かった。