だいたい月刊誌は歴史物を買います。
『歴史街道』9月号は『新撰組』の『斎藤一』特集です。
一位の『土方歳三』、二位の『沖田総司』に続いて、
近頃は新撰組人気隊士三位に急浮上してきた斎藤一だけど、
彼を主人公にした小説などの類は、読んだことがない。
慶応三年春、
新選組から分派した『伊東甲子太郎』率いる『御陵衛士』に、
斎藤の姿もあった。
伊東たちは思想の違いから別れたのだけど、
この年は『徳川慶喜』が『大政奉還』したり、、
『坂本龍馬』が暗殺されたり、
幕末の動乱が一挙に倒幕へとなだれ込む大転換の年でした。
じつは斎藤、間者として御陵衛士に潜り込んでいた。
この一派の首領伊東が『近藤勇』の暗殺を図っていること察知し、
ここに至って、ついに斎藤は脱走、新選組に戻り、報告したのです。
間者、つまりスパイです。
どうもスパイというのは暗いイメージがある。
御陵衛士側からすると憎い裏切り者です。
斎藤は寡黙であり、
剣の腕前は抜きん出ている。
何を考えているのかわからなくて、強い男っていうのは、
得体がしれなくて不気味だ。
御陵衛士のなかに巧く溶け込むためには、
よっぽど肝が据わっていて、役者でないと到底無理というもの。
そういうことからも、
斎藤は一筋縄ではいかない人物であったことがわかる。
だから、
ぼくは『永倉新八』や『原田左之助』などの明るく闊達な隊士に比べて、
親しめなかった。
でも、この歴史街道を読めば、
そういう斎藤のイメージが崩れるかな。
楽しみです。