世界はもっと

てきとーで曖昧で

やさしい世界だった。





私が思っていた世界は

厳しくて苦しくて

常に監視されているような

少しのミスで排除されるような

そんな世界だった。




怒られても、叱られても

許される世界があるとは思っていなかった。

やり直す、とかじゃなくて

ちゃんとしなくてもそのままの自分で

生きていける世界だなんて思いもしなかった。





そんなことないって、頭では分かってた。

親切でやさしい人たちはたくさんいて

同じように悩みながら過ごしてる人がいて

別になんとも思わずに

ただ生きてる。





分かっていたのに

ずっと抑圧されて

厳しくて辛い、心細い

寸分のミスも許されないような

そんな所に、心はいた。





私を見張り、咎め、評価し、

歪んだ正しさを教え込む。

認めるかどうかは出来次第で、

間違っていたら

それじゃ世間では許されないとでも言うように

批判を浴びせ矯正させられる。






私の世界はずっと

緊張と気遣いと

ひたすら頑張って掴むものだったから。




抗わずにいることに

それで文句を言う身勝手さに

腹を立てるような生き方だったから。




それでいて何も知らない

知らされていないような

箱の中のような世界だったから。






でも少しの失敗や、ケアレスミスや

間違い、そういうものがあっても

たとえ罰を受ける程のことがあったとしても

生きていけるんだ。

大丈夫なんだ。





本当の世界にはちゃんと

許しがあって

その中で学んで、生きていけるんだ。