夏の夜、街外れにある古い工場。

幽霊が出るといつ噂を聞き、それを写真におさめたいと青年は一人やってきた。

こわれかけの工場のとなりの無尽と思われた小屋に声をかけると、老人がでてきた。写真を撮ってもいいと。

「気の小さな者ならば、物音にむすびつけて幻影をつくりあげてしまうにちがいない。それがうわさとなって伝わるにつれ、しだいに大げさな話になってくるのだろう」

青年は緊張が緩み、うとうとしてきて、そこでアサまで過ごした。

帰ろうと、昨日の小屋に声を掛けると…