電車を降り、家路へと続く坂道を登ってゆくと左側は神社の森、右側は棚田。棚田と坂道の間には細い溝があり山からの水が清らかに流れ落ちています。すっかり暗くなった坂道を登ってゆきながら振り返ると、琵琶湖上空には大きな月が静かに輝いています。

月を眺めながら後ろ向きに上ってゆくと鈴虫、カンタン、クツワムシがしきりに鳴いています。

朝、出勤の折には、たわわに実った稲であった田んぼが月明りの中ですっかり刈り取られ、まるで祭りの終わった後のような寂しさを感じさせます。、日中の暑さは鋭いものの夏は逝ってしまいました。

かつて私が若かったころ、友と飲みながら「早うお爺さんになりたいな~。酒にだらしない一寸スケベ―な好々爺ィ―になるんや!」

と叫びお店のママに大笑いされたことがありました。

酒を飲みながら願った通り、私も60歳を超えた爺ィーになりました。これは喜ぶべきことなのか?悲しむべきことなのか?・・・

稲刈りの終わった棚田のように、祭りの後の寂凌感が忍び込んできます。

私の人生にお祭りなんて無かったのに・・・・・・。