雅紀の怪我も完治し
俺の仕事も 落ち着いて
俺たちは今 空港で
旅立つ二人を見送っている
『かず 元気でね
連絡 してよ』
「わかってるって
泣かないでよ まあくん」
『泣いてないし
大野さん カズをよろしくお願いします』
予定されていた
日本での展示会を全て終え
智くんは拠点をアメリカに移すため
かずくんと一緒に旅立とうとしている
雅紀はもう涙でぐちゃぐちゃ
ずっと 雅紀を支えてくれた
親友の旅立ちは
やはり 寂しいよな
「翔さん…まあくんをお願いします」
かずくんは俺に向かって 頭を下げた
二人しておんなじこと言ってる
「大丈夫 雅紀は俺が守るよ
今まで 雅紀を支えてくれてありがとう
智くんと 幸せに」
「はい」
「翔くん 元気で
又 日本でやる時は 頼むね
相葉ちゃん 泣かせるなよ」
「智くんも…
かずくん大切に
向こうでの活躍 祈ってる」
「ありがとう…
かず そろそろ行こうか?」
「うん…、
じゃあ まあくん 翔さん 又ね」
『かず 又ね 元気でね』
雅紀は かずくんの姿が見えなくなるまで
ずっと 手を振っていた
「行っちゃったな」
『うん 行っちゃった』
「寂しくなるな」
『うん…寂しい
でも かずが幸せになる事は
僕も 嬉しいから』
「お前には 俺がいる」
『ありがとう 翔ちゃん』
「どうする まだ 家に帰るには
少し早いけど」
『翔ちゃん 僕 行きたいところがあるんだ』
「行きたいところ?」
『うん 僕が 案内する
いい?』
「ああ…お前が 行きたいとこなら
どこでも つきあうよ
じゃあ 行こうか」
人混みではぐれないように
しっかりと 手を繋ぎ
俺たちは空港を出た