Sleeping | はい。カミウがやりました

Sleeping

五月のそよ風が

草花の薫りに満ち溢れ
辺りに美風を散らす。

硝子が割れた窓から
部屋に美風が入り込む。

触れた僕は唐突に眠りに落ちた。

美風熱にうなされながらかじりつく果実のように 僕の身体を潤していった。

ふと眠りから覚め、半身を起こすと僕の身体を
まとうように、夥しい数の朱い羽根を持った小鳥の死体があった。

とめどなく涙が溢れ出す。

僕の全てが痛がっていた。

夢うつつであるよう、
願っているのだけど
どうにも上手くいかないらしくて

この痛さを湖に浮かべる為に美風を招き入れよう。

小鳥達で湖を満たす為
窓を開けよう

起きあがった僕は一匹ずつ 窓から逃がしてやった
草花の薫りに導かれ
あらゆる痛みを連れて

飛んでゆけ 飛んでゆけ