ドラクエ7、完全初見プレイ感想です。


※長いです。とにかく長いです。いやぁ、ここはとんでもない村ですね!そりゃ長くもなります!




次の石版の地、レブレサックの村にやってきた主人公一行。この村は大陸が封印されただけでなく、霧によって村に閉じ込められている状態だった。これを何とかしようと、村から一人の男性、木こりの夫婦、神父の計4名が原因究明と討伐のために魔の山へと向かったという。しかし、その4名が戻ることはなかった。その4名と入れ替わるかたちで神父の服を着た魔物が村に現れ、教会に住みついてしまった。村人たちは、恐れおののく。いつ何されるかわからない、もう戦える者がいない不安に恐怖と、あの魔物が霧を発生させ、4名を殺したのだと思い込み、憎悪を募らせ、あの魔物をぶっ倒す!と村のほぼ全員が団結してしまっていた。


主人公は過去の経験から流されないよう、呑まれないよう、冷静に、慎重に情報収集していく。が、最早村に冷静な判断が出来る者はおらず、皆口々に魔物への恐怖や憎悪を言うばかり。ならばと、主人公は直接教会へと赴く。そこには確かに魔物がおり、神父の服を着ていた。しかし、数多の魔物と対峙し、戦ってきた主人公には、あの魔物から魔物が持つ殺気や、敵意、悪意は全く感じられなかったのだ。実際、あの魔物は村や村人に危害を加えていない。それどころか、村人たちから避けるように教会の個室に鍵をかけ、大人しくしている。村人たちの主張と、自身の目に映る光景に剥離があることから、真実が掴めぬ主人公は何をどうすべきか悩むのだった。


そんな時、あるお宅で黄金の女神像を目にする。プロビナでの戦いにて木っ端微塵になってしまった女神像が、何故ここに?驚く主人公。その主人公に、ガボとメルビンは疑問を口にする。それを聞いた主人公は思い出し、ハッとする。脳裏に浮かんだのは、プロビナの村で出会った記憶喪失の神父様だった。その時、点でしかなかった疑問点が、線で繋がりだす。プロビナの村で聞いた話し、仲間が口にした疑問に、黄金の女神像。主人公は1つの答えを導きだす。


あの魔物は、プロビナの村で出会った記憶喪失の神父様かもしれない、と。


確証はない。だが、ほぼ確信に近かった。だが、それを証明する術がない。そんな主人公一行に、村長は教会にいる魔物討伐の依頼をしてくる。お断りする主人公だったが、村長はすぐには聞き入れない。今夜その作戦会議を開くから、それまでもう一度考えてくれという。このままでは、村人たちが教会へ襲撃に行ってしまう。時間がない。気持ちが急く主人公。何とか、あの魔物は魔物ではないと証明できないだろうか…。





討伐の依頼を断ったものの、村長は聞き入れてくれなかったため、また村人たちから話しを聞いていきます。まずは村長のお宅にいる女性から。


「魔の山には昔から魔物が住むって噂があるの。だから扉を作ったのよ。頑丈な扉に鍵をかけて。おかげでずっと村は平和だったの。なのに、霧が出てからというもの、扉は閉めてあるのに魔物がやってくるのよ。きっと、教会の魔物のせいだわ!あぁ、恐ろしい!」


村が平和なのは扉ではなく、黄金の女神像のおかげです。女神像があるから、村に魔物は入れないのですよ。失礼で申し訳ないですが、普通の人間が作った扉何かで魔物の侵入や侵攻を阻めるわけがありません。魔物を舐めすぎです。それに、「きっと教会の魔物のせいだわ!」って…。証拠は?あなた、目撃したの?確かめたの?そういうことを何もしないで、一方的に決めつけているこの女性の方が恐ろしいです。


こういう人、現実にもいっぱいいますよね。人から聞いたことを鵜呑みにして、信じちゃって、一緒になって悪く言ったり、攻撃したり。人の目ではなく、自分の目でちゃんと確かめないとダメです。その際、先入観は捨てましょう。自分の目で「本質を」見るようにしましょうね。


そういえば、この村の人たちは黄金の女神像のことを誰も何も言わないですね。知らないのでしょうかね?それに、神父様のものではないのですか?何で教会に置いていないのでしょうか?疑問だらけの村ですね、まったく。


次に、弟さんに話しかけます。


「村一番の強者と、腕自慢の木こりの夫婦、それに神父様。魔の山へ赴いた4人は戻らず、代わりに教会のバケモノがやってきた。あいつの着ている神父の服は、きっと死んだ神父様のものですよ!」


出た。また「きっと」ですよ。まぁ、そう思い込んだり、信じてしまったりしてしまうのは仕方のないところもありますが、ちゃんと自分の目で確かめましょうよ。難しいことですけども。そういうのを何もしないで一方的に決めつけ、ぶっ倒してやる!と殺る気満々なのがとても怖いです。


人は外見で判断すると言いますが、その典型と言えます。あと、自分たちとは違う存在を異端者として排除しようとする本質がこの村にはありますね。正に「村八分」というやつです。


次は、弟さんの隣にいる男性に話しかけます。


「教会の魔物は不気味な奴だ。暴れるでもなく、閉じこもったきり。どうせ、何か悪だくみをしてるんだろうがな」

不気味な奴?あなたには言われたくないと思います。なーんて。


外見や勝手なイメージで決めつけていますね。閉じこもっているのは事実ですが、それをこの男性は悪だくみをしていると受けとめてしまっています。魔物の中には人間になりたい、人間と仲良くしたい、人間に懐く魔物がいたりと、様々です。魔物の全てが悪ではないのですよ。こういうのは難しいですね。


二階に上がって話しを聞いていきます。


「教会の魔物?あいつは許せないね。神父の服なんか着やがって!さっさと退治するべきだよ」


うわぁ。あのイチコロばあさんや、ルーメンの生ぬるいばあさんと一緒ですよ。殺る気満々です。疑心暗鬼、沸き上がる憎悪、もう冷静な判断はできない状態にあると言っていいです。


では、改めて村長に話しを聞いてみましょう。


村長「寝込みを襲うのがやはり確実か。ううむ…」


考えをまとめたいから、村の人たちと話してくれと言われてしまいました。


ははっ(渇いた笑い)。寝込みを襲うって…。それで逆上してきたらとか、そういうのは考えないのでしょうかね?殺ることばっかりで、自分たちが殺られる可能性を微塵も考えていないのがね。全体的に甘いねって感じです。


では、再び外に出て話しを聞いていきますか。


まずは井戸にいるばあさんと、女性から。


「話しは聞いたよ。あんたたち、教会の魔物も退治しておくれよ!でないと、今に村中の人間があいつに殺されちまうよ!」


この人たちも真実を知る術がないのですよね。でもね、神父様を慕っていたのなら、「あれ?」と思ったり、何かしら違和感を抱くと思うのですけどね。そして、このばあさんも不安と恐怖がピークに達しています。この村にはもう冷静にちゃんと話せる人が誰もいませんね。みんなダメだ。


「あなたたち、魔物と戦ったんですってね。

誰も承諾していませんよ。何勝手なこと言ってんの?何を言われようと、金を積まれようと、お断りします。そんな「協力して当たり前」という態度や、自分たちでやりたくないことを「お前らやってくれんだろ?」と言わんばかりの押しつけがましい態度が心底気に入らないので、やりたくありません。


「俺の息子は強かったよ。だから村のために魔物を退治しに行って…。

断っているのに、何で主人公一行が退治することが決定事項であるかのように言ってくるのですかね?村長もどいつもこいつも。


これはもう、NOは認めないってやつですね。村中がそういう空気になっています。


主人公一行は協力して当然だという態度を皆がとっていて、実際、村長はNOを聞き入れませんでした。みんな殺る気満々で一致団結してしまっています。その中で異を唱えようものなら主人公一行は教会の魔物と同じように異端者扱いされ、矛先が向けられる可能性が出てきたように思います。いよいよヤバイことになってきました。主人公一行が断れない、断りにくい、また、やらざるを得ない状況になっているわけですから。あぁ、カズイくんになった気分です。


とんでもない村に来てしまいましたね。


このあとも話しを聞いて回りましたが、全員が魔物許せねぇ!全てあいつのせい!やっつけてよ!のオンパレードなので、全く話しになりません。もう異様な空気が村中に満ちているので、早く帰りたい、出ていきたい気持ちでいっぱいです。怖いですよ、本当に。沸き上がる憎悪に殺気に血走った目。なに、この村。




多分あの教会にいる魔物は神父様だとは思います。あらすじに書いたように、ほぼ確信しています。「プロビナの村で出会った神父様」だと匂わせていますしね。何とかしたいのに、神父様を元に戻す方法が全くわからないのがキツイです。これまでのドラクエだったら村や町、城などから情報を得て塔や洞窟へアイテムを取りに行くってパターンですけど、今回のこの村ではそういう有益な情報が得られません。もう一度魔の山と言われる洞窟へ行ったり、南の町へ続く森や周辺を徹底的に調べてみたのですが何もなく、洞窟も森も通れませんでした。このままでは魔物が危ないです。もうお話しを進めるしかないようですから、墓地にいる子供のところに行ってみることにします。


すると、イベントが始まりました。


「父さん…母さん…。僕はきっと二人のカタキをうちます。だからどうか、安らかに…」


お祈りしています。この子がルカスくんでしょうか?


その時、教会から魔物の姿になってしまった神父様が出てきました。


「なんだよ毎日毎日!何のつもりだよっ!

毎日??神父様はずっと閉じこもっているわけではないのですね。きっと、この子がお祈りに来るたびにこうやって外に出てくるのでしょうね。でも、子供から向けられた憎悪が痛いです。こんな幼い子供から憎悪を向けられるほど辛く、痛いものはありませんよ。


「いっそ、僕も食べろよ!父さんと母さんと同じように…。ちくしょう…」


この子の悲しみと怒り、憎悪が突き刺さりますね。痛いです。が、神父様は何も言わずに走り去っていった子供を見送るのみでした。


あれ??神父様は口を利けない状態なのでしょうか?何か言いたげではありましたが…。まぁ、口が利けないから閉じこもるしかないのでしょうけども。


ガボ「あの子に何かしたら、オイラ飛び出して助けようと思ってたのに…。何で黙って行っちゃったんだ?アイツ、悪い奴だろ?」


ガボ、かっこいいね!村人たちと同じようにやっつけようぜ!と言っていたガボでしたが、ルカスくんに対して何もせずに教会へと戻っていった魔物を見て、疑問を抱いたようです。ここが村人たちと違うところですね。


子供にも村人たちにも手を出さない魔物。いや、魔物ではありませんね。もう正体は神父様でしょう。


教会へと入り、話しかけます。

しかし、やっぱり口が利けないようです。何か伝えたい、訴えたいことがあるのですよね。真実を話したくても、この姿では喋れない。ならば紙に書いて…とも思いますが、村人たちの様子を見る限り信じることはないでしょうし、却って刺激してしまう可能性が高いでしょう。ここは大人しくしているのがベターかもしれません。


けど…このままでは…。


ガボは魔物のニオイがしないと言い、メルビンは魔物の気配がしないと言います。はい、もう確定です!この方はプロビナの村で出会った記憶喪失の神父様です。


今度はあの子供のところへ行ってみましょう。


お宅へ入ると、どうやらガボやメルビン、アイラと同じように何もしてこなかったことを不思議に感じたようです。

いたーーーっ!!いましたよ!!やっとまともに話しが出来そうな人間が!!そして、女神像の持ち主は君だったのですね。元の姿に戻すために女神像を使うのでしょうか?


「見た目は恐ろしいけれど、悪さもしないし。…違う!そんなはずはない。あぁ、女神さま、お母さん。災いから僕と村の人たちを守ってください」


君が女神像にお祈りをしていたのですね。守られていますよ。だから、魔物は攻めてきません。こられません。しかし、魔物のボスは頭が良いのでしょう。禍根という名の種(神父様)を村に植えつけています。それによって人間同士を戦わせようしています。それはもう寸前です。


子供が主人公一行に気付き、ルカスだと名乗ってくれました。両親が亡くなり、一人になったとのこと。女神像が守ってくれるから一人だって平気さと言うルカスくん。立派です。


女神像はルカスくんのお母さんの家にずっと伝わるもの。お母さんは毎日災いや魔物からみんなを守ってくださいと女神像に祈りを捧げていたようです。だから、この村に魔物が入ってくることはありません。プロビナの村の人たちと違って、そのことはルカスくんも知らないようですね。それを知っていたら、魔物は神父様だと気付けたかもしれないと思うと、残念です。女神像は魔物を寄せ付けないわけですから。



ルカスくんは感情や村の空気や雰囲気に流されたり、呑まれずにいるのがすごいです。見た目で判断せず、ちゃんと本質を見ようとしている様子が窺えます。なのに大人どもは…。


もうね、大人どもと子供の対比がすごすぎます。


そのルカスくん、何か言いたげなのですが、ハッキリとは口にしません。恐らく、あの魔物の正体に気付いているのでしょうね。


一通り話しを聞いたので、村長のお宅へ向かいます。作戦会議に何て参加したくないのですが、それでは話しが進まないので、とりあえずいきます。


どうやら作戦会議は男限定だったようですが、息子が犠牲になったご家庭の母娘が参加させろと強引に来てしまっています。どうせやらないのですから、いてもいなくても同じじゃないですか?と言いたくなります。あぁ、この村にいると心が荒みます。


んで、この作戦会議にはルカスくんも参加。ルカスくんの走り方がかわいくて、ささやかな癒しになっています。


さぁ、作戦会議開始です。魔物を倒そうにも、腕自慢の者たちは帰らぬ人となりました。もう村には戦える人間がいません。


村長「だが!この旅の方は魔物と同じ、いや、それ以上に強いという」


「僕、魔物に襲われそうだった所を助けてもらいました!」


村長「…どうだ、村のみんなと旅の方。力を合わせれば今ならきっと。

ねぇ、誰かコイツを殴って?


こっちは一言もやる何て言ってないですし、承諾したわけでもありません。なのに、何で討伐に参加することになっているのでしょう?まぁ、作戦会議に参加しているのですから、そう取られてもおかしくないのですけども。何かイラッとくるんですよね。


頼りにしてますよ!とか、もう完全にNOが言えない状況や空気になっています。


ここでルカスくんに話しかけてみます。ルカスくんは主人公一行に話しがあるとのこと。しかし、ここでは言いづらいからと、離れたところへ移動します。


ルカス「あの…さ。村のみんなは教会の魔物をやっつけるって言ってるよね。僕だって父さんと母さんのカタキはうちたいよ!でも…。墓場で君たちも見たよね。あの魔物。
ただ、やっつけちゃっていいのかなって。あいつ、何もしてないのに。そりゃ父さんたちを殺したのかもしれないけど!でも、もしかしたら…。あいつは本当は魔物なんかじゃなくて…。ごめん!何でもないよ!」


ルカスくんがみんなから離れたところで話したのは、みんなが殺る気満々でとても異を唱えることが出来ない雰囲気になっているからです。


同じ頼りにされているでも、力になってあげたいと思うのはルカスくんです。


この子はとても素晴らしい子です。感情にも場の空気や雰囲気に流されたり、呑まれたりしない。人や物事の本質を見抜く力や目、見ようとする姿勢を持っています。だからこそ、あの魔物は実は神父様ではないか?と気付くのですよ。姿が違っても、その人物が持つ本質は同じ。佇まい、醸し出す雰囲気、仕草、行動など。ルカスくんは、それらから感じ取ったのでしょう。


しかし、神父様を元に戻す方法がわからないですし、一体どうしたらよいのか。ラーの鏡の情報はないのでしょうか?



「寝てるうちにみんなで教会を囲んじまおうぜ!火をつけていぶり出すんだ」


だからさ、それで怒りを買ってしまったら燃やされるのはあんたたちだよ?魔物を甘くみすぎです。(魔物じゃないけどさ!)強い人間を得たことと数的優位に立っていることから、もうすっかり気が大きくなっています。バカだね。


で、作戦は男たちがまずは教会を取り囲む。その後、火事だと騒ぎを起こして奴をおびき出す。出てきたら主人公一行と村の人たちで魔物を倒す、という内容です。


つまり、何もしていない魔物を集団で一方的にボコるということですね。集団リンチというやつです。これを何の疑いも差し挟むことや、躊躇いもなく実行しようとしているのが本気で怖すぎます。


何、この人たち。


神父様はこれによって記憶喪失になってしまわれるのですね?怖い目にあったというのは、この集団リンチ以外にないと思うのです。これ、阻止できないのでしょうか?


村長「もちろん、お手伝いいただけますな?」


「もちろん、お前らもやるよな?」と言っているのと同じことです。断ることは許さんってことですよ。


でもイヤなので、「いいえ」と答えます。


村長「はっはっはっ!何をご冗談を」


はい、全く聞く耳持たずです。こちらは協力しないと言っているのに、認めません。もう異論は許さないわけです。村長がこんなんじゃあ、この村は先がヤバイですね。


他の人たちも主人公一行が協力して当然という態度です。俺ら困ってんだ。アイツが悪いんだ。だからアイツを倒す。当然お前らもやるよな?みたいな。断ることは許さないわけだ。ルカスくん以外がみんなコレなので、とにかくイライラしてきます。


ルカスくんはもう魔物が神父様だとほぼ確信している感じですね。けど、もう異を唱えることが出来ない雰囲気になってしまっているため、ハッキリとは言いません。



村長からの最終確認です。魔物を退治しに行きましょう!に対し、「いいえ」と答えると…


村長「なんと、魔物退治に行かないと言うのですか?」


と、再び選択を求められます。


当然「はい」と答えます。都合の悪いことは聞かない村長は、聞く耳持たずです。


村長「どうやら耳がおかしくなったらしい」


おかしいのは耳だけじゃないと思いますが。


そして、また確認をしてきます。退治に行ってくださいますね?と。イヤなので、「いいえ」と答えると、村長の態度が豹変します。


村長「むむ…。旅の方。なにゆえに魔物の味方をされるのですか?村人3人と神父様の命を奪った魔物を。しかし、ここまできて後には引けない」


いきなり誰か来い!と人を呼ぶ村長。すると…


村長「 みな、この旅人をつかまえろ!魔物を倒すまで、納屋にとじこめておけ!」


こちらの言い分を一切聞くことなく、協力しないと聞いた瞬間に魔物の味方認定し、捕まえるよう命じます。自分たちの意に従わないものは排除。異を唱える者も同様ということですね。まともじゃないですよ、この人たち。それで主人公一行にやっぱり矛先が向けられ、暴行を加えられます。


「何ですって!あの旅の人が魔物の仲間!?」


村長「突然魔物退治には行かないと言い出したのだ。まさか、奴に計画が知られてなければいいが。一体何が何やら…」


突然ではなく、最初からお断りしていました。そのことも含めてこちらの主張や言い分を一切聞こうともしなかったことは棚上げにして、一方的に主人公一行を魔物の味方と決めつけた挙げ句、暴行を加えて閉じこめるって、常軌を逸しています。


何、この村。


正常な判断が出来ない人が村長を務めてるって、本気で危険です。もうこうなったら誰も止められませんよ。トップがやれと言う上に、異を唱えたり逆らったらこうなるとみんなが知ってしまったのですから。


沸き上がる憎悪、不安や恐怖、殺気。それらが立ち込め、村を異様な空気にしていました。異論は許されない雰囲気にもなり、些細なことで一気に噴出し、村人たちが暴徒と化す集団ヒステリーとリンチ。怖すぎですって!!!!




納屋からは女の子が出してくれます。納屋から出ると、ルカスくんがアイツ殺されちゃうよ!と呼びにきます。みんなを止めたいから協力してくれと言います。


急いで教会へ向かいます。教会から離れたところでは、女性たちが口々に恐ろしいことを言っています。


「兄さんのカタキ。あの教会の魔物が骨も残さず滅びるように」


もうルカスくん以外は正常な判断力を失っています。冷静な人間はいません。噴出したのは恐怖心に憎悪です。ピークに達し、限界を越えてしまったといったところでしょう。


教会へ着くと、暴徒と化した男連中が手に武器を持って神父様を集団リンチしていました。もうこの村は霧ではなく、狂気に包まれてしまっています。恐ろしすぎます。


「バケモノめ!とうとうお前の死ぬ時だ!」


しかし、魔物は神父様。反撃などするはずがありません。そこに全く気付かず、自らの恐怖や憎悪、殺意によって出来上がった村の異様な空気に呑まれ、数的優位に立っていることから気は大きくなり、暴力は留まるところを知りません。


反撃しない、抵抗もしない、戦意もない魔物をよってたかって一方的に集団で叩きのめす。そこに誰も疑問を抱きません。それどころか、「みんな、さっさと殺しちまおう!」と呼びかけてしまっています。ここで制止したりしようものなら、今度はその人に暴行を加えるのは容易に想像できます。


こんなのは報復ではなく、狂気の集団リンチです。憎悪が皆や村を支配し、誰もが正気を失っています。当然理性なんてありませんから、平気で残酷なことをやってしまいます。


そこへ、主人公一行とルカスくんが制止に入ります。主人公一行が納屋から出てきたことに驚く村長でしたが、ルカスくんが一緒だったことから、勝手に誤解して決めつけてきます。


村長「そうか、ルカス。お前が手引きをしたんだな。魔物の味方をするのだな」


村長は主人公一行を納屋から出したのはルカスだと誤解します。村長は主人公一行を魔物の味方と決めつけていますから、主人公一行と一緒に行動していることから、ルカスくんは魔物の味方をすると決めつけられてしまいます。


こちらの言い分は一切聞くことをせず、またしても一方的に決めつけ、魔物の味方認定です。


ルカスくん「聞いてください、村長さん。もしかしたら、その魔物は…」


死んだと思われた神父様なんですと言い終える間もなく、また、聞こうとは一切せず、村長は怒ります。


村長「えぇい、うるさい!お前まで魔物の仲間とは。まんまと騙されたぞ」


もう何を言っても聞かないし、通じない。ダメです、この人。正気を完全に失ってしまっています。全員が恐怖と憎悪に呑まれて狂気が村を支配してしまっている以上、まともな判断能力何てあるはずがありません。


村長は暴徒にこいつらも魔物の仲間だ!と言い、つかまえろ!と命じます。


村長「騙されたよ。この者たちがまさか魔物の仲間だったとはな。誰か!この者たちを魔の山へ閉じこめてきてくれ。二度と出てこられないようにな」


村長の命令によって、またしても一方的に暴行を加えられ、魔の山へと追い出された主人公一行とルカスくん。


主人公一行はともかく、幼いルカスくんにまで一方的に決めつけて暴行を加えるとは。そもそも、ルカスくんもご両親が殺されているじゃないの。これがもうまともじゃないことを表しています。


自分たちとは違う異質な存在を排除する。人間の集団心理の怖さ。狂気と暴力。暴徒と化した人間たち。非常時に表面化された人間の醜い部分。何なんですか!?この村でのエピソードは!怖いですって!


まさかこんな形で魔の山を攻略することになるとは、全く思っていませんでした。早く村に戻らないと神父様が殺されてしまいます。ここにラーの鏡とか、神父様が元に戻れる方法があるとよいのですが…。




ここで作戦会議終了後に戻ります。村長の退治に行きましょう!に「はい」と答えるとどうなるかを見ていきます。


「はい」と答えると、すぐに教会へ向かうことになります。教会へ着くと、既に神父様がおびき出されており、囲まれています。村長に話しかけます。


村長「さぁ奴を!村を苦しめてきた魔物を退治してください!」


これだけでも怖いです。さぁ!って。自分たちでやらないで主人公一行にやらせようとしているのがね。やっぱりイラッときますね。


神父様の前に立たされ、周りを男連中に囲まれます。これはまるで、いじめの構図のよう。ここでNOと言うと魔物の味方認定ですからね。

怖いですよ、もう。人間の集団心理も何もかもが。どっちが魔物だよ。完全に村人たちでしょう。狂気、暴力、残酷で非道と。何もしてこないのに一方的に集団リンチして叩きのめしてさ。


村長「さぁ旅の方。村を苦しめてきた魔物を、今こそ倒してください!」


しかし、魔物は何もしてきません。悲しそうにこちらを見ているのみです。正体が神父様だとわかっている主人公は退治何てできません。が、男連中はそれには気付かず、主人公に早くやれ!と煽ってきます。


「どうした!早くやっちまえ!」、「何モタモタしてるんだ!」


魔物の姿をした神父様は、首を横に振ります。まるで、私は魔物ではないと主張するように。しかし、村中を支配した憎悪と狂気に呑まれ男連中は煽るばかりです。


完全に異を唱えることや、逆らうことは許さない空気。殺気に満ちた目。正常な判断力を失い、狂気へと走らせる。暴徒と化した人間の集団による、今にも狂気と暴力の嵐になりそうなただならぬ雰囲気。とにかく異様な空気です。


早く殺れと煽ってくる暴徒たち。主人公はそれでも退治することはしませんでした。すると、「もういい!俺たちでやっちまおう!」と一人が言い出し、集団リンチが始まりました。そこへルカスくんが駆けつけ、主人公一行にアイツを殺しちゃダメなんだ!と必死に訴えてきます。みんなを止めてとお願いもしてきます。


トドメをさそうとしたところで、主人公一行とルカスくんが制止に入ります。あとの展開は先ほどとほぼ同じです。


が、ルカスくんが村長に聞いてくださいと言い出した瞬間、魔物の味方をするというのか!?とやっぱり一方的に決めつけてきます。さっきのおかしな素振りはそういうことだったのかって。


村長「あくまで魔物をかばい、我々の邪魔をするか。…ならば。みんな、こいつらも魔物の仲間だ!つかまえろ!」

こうして、主人公一行とルカスくんは魔の山へと追い出されてしまいました。


魔物より人間の方がよっぽど怖いです。極限状態に置かれた人間心理と、人間の集団心理。暴徒化して集団リンチ。異質な存在を排除。それは内面にある醜い部分が表面化したもの。こういうのって非常時に表面化してしまうものなんですよね。これまでにないくらい強烈なエピソードです。


あまりに内容が濃いエピソードですから、こんなにも長くなってしまいました。ここまでお読みくださった皆様、ありがとうございました。


次回は魔の山攻略です。無事に帰れるのでしょうか?