第八艦隊との合流目前にして、ザフト軍が攻撃を仕掛けてくる。攻撃を仕掛けてきたのは、奪われたあの三機。アークエンジェルは戦闘態勢に入り、キラも出撃していく。フレイの思惑通り、キラは全てやっつけることになってしまうのか。




ーミラージュコロイドの弱点ー


ニコルのブリッツはミラージュコロイドを展開し、アークエンジェルに接近する。


ニコル「元々そちらのものでしたっけね!弱点をよくご存知だ!」


ミラージュコロイドを展開すれば、相手からは姿が見えなくなる。が、ブリッツの位置を推測して攻撃されると、ブリッツはフェイズシフトを展開しなければならなくなる。そのため、ミラージュコロイドを解除せざるを得ないのだ。これが、ブリッツの弱点である。




ー腕を上げてきたキラー


イザーク「手こずらせる」


初戦闘の時は、初心者丸出しな戦いぶりだったキラ。が、もう初心者丸出しな戦いではなくなっており、イザークが手こずるまでになっている。


訓練を受けていないキラと、受けているイザーク。受けていないのにここまで戦えるキラ。同じコーディネイターでも、二人の能力差が感じられる。(キラの能力の高さの理由は、ずっと後半に判明)




ーSEED覚醒ー


ミリアリア「ブリッツに取り付かれたわ!戻って!」


キラはイザークのデュエルと、ムウさんはディアッカのバスターと交戦している時、ニコルのブリッツがアークエンジェルに取り付いてしまう。


ミリアリアに戻るように言われ、キラがアークエンジェルへと視線を向けると、アークエンジェルは撃沈の危機に陥っていた。


キラ「アークエンジェルが…」


キラの脳裏に蘇るのは、爆散したモントゴメリ、取り乱したフレイ、フレイによってさせられた幼い少女との約束。


アークエンジェルは自分が守るべき人たちが乗っている。自分が頑張って戦わなければ、みんなが死んでしまう。自分のせいでまた守れず、誰かを死なせてしまうことは耐えられない。


その時、キラの中でSEEDが弾ける。アークエンジェル撃沈の危機が、キラのSEEDを目覚めさせたのだ。


キラ「アークエンジェルは、沈めさせやしない!」


さっきとは打って変わってストライクの動きが変わる。


ストライクはデュエルの一撃を瞬時にかわし、とてつもない速さでサーベルを腰部に突き立てる。



イザーク「かわした!?」


キラのストライクは、すぐにアークエンジェルへと戻る。その背後からイザークのデュエルはライフルを撃つ。が、ストライクに当たることはなかった。まるで、全てのビームを先読みしているかのようにかわし続けた。



キラ「やめろぉぉっ!」


サーベルを振り下ろすと、ブリッツは後方に飛び退く。が、すぐに追うキラのストライクの方がスピードが速く、ブリッツに膝蹴りを見舞う。


イザーク「もらったぁぁっ!


ストライクの背後から追いついてきたデュエルがサーベルを振り下ろす。しかし、ストライクの反応速度が上回っていた。即座にアーマーシュナイダーを取り出し、先ほどサーベルを突き立てた所と全く同じ所に正確に捉える。


サーベルを突き立てられてかなりの損傷を負った所に、また突き立てられたのだ。ダメージは軽微とはいかず、電気系統がやられたのか、コクピット内のモニターが爆発してしまう。


イザークが負傷したことと第八艦隊が来たことで、ザフト軍は撤退を余儀なくされた。


キラは、アークエンジェルを守りきったのだ。



ーイザークはお坊ちゃんー


イザーク「痛い…痛い…痛い…!


モニターが爆発し、ヘルメットのバイザーが割れてしまう。その破片で顔を負傷してしまったイザーク。


戦闘中であることも、自分が軍人であることも忘れて痛がるイザークの姿から、イザークはかなりのお坊ちゃんであることがわかる。


ザフトレッドは全員お坊ちゃんであるが、中でもイザークはかなりのお坊ちゃんである。


これがアスランだったら、何も言わずに黙って痛みに耐えるだろう。耐えていただろう。


イザークは人を痛めつけたり傷つけることはあっても、自分が痛めつけられたり、傷つけられるということはなかったのだ。そういうことを知らずに、ここまで大事に大事に育てられてきたのだろう。


親が過保護に子供を守ってきたということだ。



同じお坊ちゃんでも、アスランとイザークは違う。が、共通点がある。それは、やたらとプライドや気位は高いくせに、親には頭が上がらないという点である。




次回へ続く。