高級な地区に暮らしたい、4年で倍になったマンション価格…「階層移動」が生んだソウルの異常
韓国の次に「儒教思想」が強い日本も同じようなものです。儒教思想は、初めから順列を付けることによって争いを回避するという考え方。儒教発祥の国、中国は「弱肉強食」だから全く違う考え方です。日本に足りないのは下克上。
特に若い人を見ていて、下克上する気概が感じられない。ぼんやり流されっ放し、ギラギラとした金銭欲や出世欲がなくなってきている、という話はよく耳にします。その一方で、働く上でのやりがい、ワクワク感、自分が社会に貢献できている感覚を重視する傾向が強まっています。お金や地位など「目に見えるもの」よりも、「やりがい」や「ワクワク感」といった「腹の中にあるもの」への価値が高まっているのです。そういう意味では、「時代の空気」は老子的な思想を求めているのかもしれません。
仏教の世界では禁欲がよしとされ、論語では決して「利」を否定することはなく、しかしそのプロセスを非常に重んじる。強いて言えば、老子はその中間的な位置づけとでも言うのでしょうか、「ほどほど」の価値についても論じています。