世界的知識人、エマニュエル・トッドに聞いた | ajra7444.comのブログ

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Life is not perfect.
Life is not easy.
Life is good.

男は、
バイタリティーを持って、何かを極める!
ユーモアを持って、優しくあれ!

世界的知識人、エマニュエル・トッドに聞いた

 

日本では、SELFISHを「自分本位」と訳していますが、それは「自己中心」とは大きく異なります。自分本位の人というのは、無理をせず、未来に期待せず、常にゆとりがあるもの。「自己中心」の考え方というのは、自分に都合よく考えるということがベースになっていると思いますが、それは、あまりにも自分を大きく扱っています。「自己中心」になればなるほど、誰かと比べての損得が判断の基準となります。つまり、他者を気にして生きていくことになります。本来、思いどおりにならないことのほうが自然なんで、SELFISHな人というのは、非常に自分を小さく扱っていて、ゆえに、あらゆることに期待をしていない。それが、「無理していない」ということ。

自分の思いどおりにならないことに、ひたすら文句を言っている人がいます。時代が悪い、環境が悪い、はては日本が悪いといった具合に。同じように、過去にさかのぼる人もいます。「高度経済成長の頃はよかった。今は、少子高齢化で時代がよくない」と。これは、裏を返すと、将来に期待しすぎです。こういうのが、自分がない状態、自分本位でない状態。何があっても、最終的には「日本が悪い、日本がイケてない」っていう答えに行き着いてしまう。

彼らのような人間をよく観察してみると、「どうも自分が調子よくない」という状態が多い。自分が調子よくない、パッとしないってことを認めると辛いので、結局は、「日本が悪い」という話をしています。「じゃあ、どこがいいんですか?」と。例えば、「中国は、どうやらイノベーションが進んでいるらしいからイケてる!」と言う人もいますが、そういう人には「では、中国の国家システムは最高?」

物事には、当然いい面も悪い面もあり、全面的に「優れた国家システム」などあり得ない。要するに、「他責志向」です。高度成長期だったらいいの?受験戦争と交通戦争でインフレもものすごかった。応仁の乱の時代、江戸時代…なんてどう?道端で簡単に殺されます。縄文時代は?竪穴式住居で、冬は寒いぞ。もう、どの時代でもほとんど一緒です。どの時代でも、それなりにいろいろあります。それが人間の「人生」です!