800ページの大著にして14万部超。話題の『独学大全』発、学びの極意 | ajra7444.comのブログ

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800ページの大著にして14万部超。話題の『独学大全』発、学びの極意

 

 

「無知の知」とは何でしょうか。

思考に関するキーワードの中でも最も重要なのが「無知の知」です。ギリシア時代にソクラテスが唱えたとされる概念です。古代ギリシアで最も賢者であると言われた哲学者、ソクラテス(紀元前469年ごろ~紀元前399年)は、自分自身では「そんなはずはない」と考えました。
そこで、当時賢者であると言われていた他の人たちと話をして出した結論が、「自分は、他の誰よりも何も知らないことを自覚している」ということでした。これが「無知の知」という概念です。この言葉、思考回路を起動するうえでの重要度は、他のキーワードと比べて何倍も大きいもので、その大切さはいくら強調しても強調しすぎることはないでしょう。逆に言うと、私たちは、「自分は何でも知っている」と、とくに中途半端に「知識」がある分野で思ってしまう傾向が強いので、それに対する戒めとして常に心に留めておくべきと言えます。
「思考」とは、純粋に自発的な行為です。

「考える」という動詞に枕詞としてよく用いられるのが、「自分の頭で」という言葉です。この言葉どおり「考える」ことは、他人に強制されるものではありません。そこには、何らかの自分なりの「動機」が必要で、それがいわゆる「気づき」と言われるものであり、思考においては「無知の知」=気づきと言ってよいでしょう。「知らない」という自覚があれば、新しいことを学ぼうという未知なるものへの関心の源になり、それが知的好奇心になります。知的好奇心があるからつねに思考回路が起動するのです。

「無知の知」を強く自覚している人と、自覚していない「無知の無知」の人では、日常の行動において、例えば以下のような違いが現れます。
・「無知の無知」の人はよく話すが、「無知の知」の人はよく聞く。

・「無知の無知」の人は知れば知るほど自分が賢くなると思い「無知の知」の人は知れば知るほど自分が愚かに見えてくる。

・「無知の無知」の人は過去の経験を重視するが「無知の知」の人は過去を踏まえてつねによりよい未来を考える。

・「無知の無知」の人は他人にあれこれ意見するが「無知の知」の人は中途半端に口を出さない。

・「無知の無知」の人は「自分が正しい」と常に自信満々だが「無知の知」の人は「自分は間違えているかもしれない」と自分に疑いを向ける。

ちなみに、2つ目の項目に関連して、「能力の低い人ほど自己評価が高い」という認知バイアスは、「ダニング・クルーガー効果」として知られています。