佐藤優「今、苦しいのはあなたのせいじゃない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/29d6a62dcc352b9d998f77a32e8e3bf3d04ddcc5
私は、経済学しか学ばないような人は、実際あまり役に立たないと、私は思っています。
それは、見方が一方的だったり狭すぎて、ビジネスの新しい理論やジャンルを開拓していくことができないからです。『学び』というのは、答えを知ることでは決してなくて、先人たちの思考や研究を通して、『新しい視点』を手に入れることだと思います。だから私は、『何かの『正解』を教えることは、あまり良いことではない』と、ずっと思っていて、批判し続けています。
例えばビジネス書の著者で、本で名前を売った後にセミナー始めて、セルフブランディング講座とか、なんとか塾とか開催してる人って、大勢います。「これをやれば、あなたの仕事がうまくいきます！」とか、そういうの大っ嫌いです。『分かり易い答え』を求める人向けに、インスタントな教えとかノウハウを提供するのは、簡単だけど意味ない。でも、多くの人は『分かり易い答え』を求めてしまうから、商いとして成立してしまう。そのいい例が『聖書』です。聖書には、『こういう風に生きていきなさい』という、ある意味『答え』が書いてあります。ユダヤ教とかイスラム教もバイブル性の高い宗教で、人が行動に迷ったと教典とかコーランを紐解いて答えを探すと、『誰々という偉い人がそういう時はこうしなさいと述べた』という感じで、戒律として指針が示されているので、迷わずに済みます。日本の仏教も宗派によっては、そういう細かい教えを伝えているところがありますけど、私は、『神様にこれをお供えすれば、明日から幸せになって、年収も10倍アップ！』みたいな教えは、絶対に信じない方がいいと思っています。