私は仕事の合間に、息抜きの為タバコを吸いに行くことがあった。


喫煙所は外にあり、天気の良い日は太陽の光と、青い空を見上げながら吸うタバコが、たまらなく美味しかった。


喫煙所にはスーパーで働く人たちも一服しに来ていたので、人見知りしない性格と、ふんわりとした雰囲気の私は、自然とみんなと仲良くなってた。


いつから話すようになったか覚えてないけど、いつの間にか彼とも、会話をするようになっていました。


待ち合わせをした訳でもないのに、タバコを吸いに行くと彼が居たり、今日は居ないな~と思いながら一服していると、彼が来たり…



偶然なのか必然なのか、側に彼がいることが、当たり前のようになっていました。


だからかな…


彼の仕事が休みのときは、とてつもない寂しさがあった。


いつもなら、目の前に彼が居るのに、今日は違う人が立っていて、私に話しかけてくれるけど、


なんか違う。


なんでかな…って思いながら、口と鼻から煙を吐いていた。


そんなとき、彼と同じ職場の人の会話が耳に入ってきた。


『今度の店長、子供が2人居るらしいよ。』


『そうみたいだね~娘がかわいいって、この前言ってたよ!』



あ…やっぱり、結婚してるんだ。。。


当たり前か…あんなにも素敵な人なんだから、独身な訳ないか~


そう思いながら、切ない気持ちで流れる雲を目で追っていたことを、今でも覚えています。


ここで会えるだけでいい。


ほんの少しでも話せればいい。


それだけでいいって。。。


動き始めた恋心にブレーキをかけるかのように、心の中でつぶやいていた。


『私はこの人をずっと待っていた』


初めて彼を見た時に出た感情は、何だったのだろう。。。



でも…

心がそう感じた彼は、結婚していました。




空を見上げながら、今日もあなたに会いたいって思った。。。