ドラフト会議がなかった時代、高校を中退してプロに入る選手が多かった、その代表となるのが400勝の金田正一投手と怪童尾崎行雄投手、しかし彼らはプロ野球初登板の最年少記録やプロ初完封勝利の最年少記録保持者ではない、その記録を持っているのは阪神、西武、広島で活躍した古沢憲司投手である❗❗❗
古沢投手は1964年に新居浜東高校を中退し阪神にテストで入団、1年目は8試合に登板し0勝0敗、防御率0．53～★なんと16歳と117日でプロ初登坂を果たした～⚾翌1965年は31試合1勝1敗、防御率3．63、この1勝は完封勝利～★古沢投手は17歳と91日でプロ初完封勝利を達成、この2つの最年少記録はドラフト会議がある今では破られることはないであろう❗❗❗
17歳でプロ初完封勝利を飾った古沢投手だがやはりプロの壁は厚くその後は1967年に2勝を挙げたのみで伸び悩んでいた～★1971年、スピードは一級品なのに伸び悩む古沢投手に村山実監督が伝家の宝刀フォークボールを伝授、キャンプとオープン戦でその直伝のフォークをマスターした古沢投手はその年36試合12勝9敗、防御率2．05、完封勝利3、防御率はリーグ3位の成績を残し見事覚醒したのである～⚾しかし、1972年は16試合1勝6敗、防御率5．20と成績を落とす、この成績に村山監督は「昨年12勝を挙げた慢心だ」と古沢投手を叱責した～⚾1973年古沢投手は師匠でもある村山実さんの叱責に奮起、自己最多の46試合に登板、9勝9敗、防御率3．41を記録し再び覚醒したのである❗❗❗
1974年、この年古沢投手は同僚の江夏豊投手より速かったと言われており37試合15勝10敗1セーブ、防御率3．23、4完封勝利をマーク、投球回数は220回1／3、江夏投手がこの年は12勝だったので古沢投手は阪神のエースと言われた～⚾1975年は36試合9勝10敗2セーブ、防御率3．60、完封勝利2、この年は打線の援護がなく惜しくも2桁勝利を逃したのである❗❗❗
1976年江夏投手が南海ホークスに移籍、古沢投手は江夏投手とのトレードで阪神に移籍した江本孟紀投手と共にエースとして君臨、41試合10勝8敗1セーブ、防御率3．60、完封勝利2を記録した～⚾1977年前半戦で3完封勝利を挙げるも後半戦は調子を落とし36試合11勝17敗1セーブ、防御率4．00、17敗はリーグワーストと言う不甲斐ない成績だった～⚾1978年阪神タイガースは地獄の年、投打共に崩壊し41勝80敗9分、勝率．339で球団史上初のダントツの最下位、古沢投手は34試合4勝16敗2セーブ、防御率4．98、1完封勝利と散々な成績だった❗❗❗
1979年阪神の監督に就任したドン・ブレイザーは超変革を図り田淵幸一選手を放出、古沢投手はその田淵選手と共に西武へトレードとなった～⚾1979年新生西武ライオンズは全く纏まりがなく最下位、古沢投手は29試合4勝14敗5セーブ、防御率5．66の成績だった～⚾1980年はリリーフに転向、34試合3勝6敗5セーブ、防御率5．74、先発完投に未練があったがまずまずの成績だった～★1981年は32試合1勝4敗6セーブ、防御率2．05、全盛時のスピードがなくなった古沢投手は引退も考えた、しかしその古沢投手にラブコールを送ったのが古葉竹識監督「古沢投手は全盛時よりもスピードはないがコントロールはまだまだ一級品、防御率2．05は評価が高い」とコメント、古沢投手は広島に移籍した❗❗❗
移籍1年目の1982年、古沢投手は古葉監督に恩返ししようと奮起、中継ぎ投手と活躍し29試合1勝1敗、防御率3．23、当時ホールドの規定はなかったが有れば20ホールドは記録していた～⚾1983年も32試合1勝2敗2セーブ、防御率4．14、この年古沢投手はコーチ宛ら若手投手も指導していた～★1984年、広島東洋カープは投打が纏まり4年ぶりにリーグ優勝、古沢投手も30試合3勝1敗、防御率1．47で中継ぎ投手として優勝に貢献、古葉監督は優勝インタビューで「先発投手もよく頑張ったが、中継ぎの古沢投手の踏ん張りが大きかった」と古沢投手を賞賛した～⚾翌1985年には現役を引退、16歳でプロ入りしたプロ野球人生は19年で幕を閉じた～★通算成績は543試合登坂、87勝115敗25セーブ、防御率3．72、奪三振1181、完封勝利17、無四球試合11である❗❗❗
引退後は解説者を経て1993年から1995年まで広島の投手コーチを務め広島に恩返し、1996年から2000年までは阪神の2軍投手コーチで若手投手の育成に尽力を注いだ、また2004年には海を渡り中国プロ野球広東レパーズの投手コーチも務めている～⚾2013年には再び広島の投手コーチとして契約、2014年からはカープアカデミーの投手コーチとなりドミニカやプエルトリコから育成選手の指導に尽力を注いでいる❗❗❗