今日から大腿骨頸部骨折に対する立ち上がりに関して、自分の考えをまとめていきたいと思います。
症例は右大腿骨頸部骨折の女性で、人工骨頭置換術を施行されている患者さんです。人工骨頭は前方侵入で施行されています。
訓練に入る前に担当スタッフの申し送りを確認すると、
『立ち上がり動作は嫌がるのであまりやらないでください』
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なぜ?
そんな事を思いながら臨床に入り、とりあえず立ち上がり動作の確認をすると、
・上肢のプッシュアップで離殿を行っている
・体幹前屈が右は股関節屈曲90度もいかないうちにとまっており、その制限を誤魔化すように左股関節屈曲で代償的に体幹前屈を作っている
・上記の影響で両足底へ均等に荷重がかかっていないので、下肢だけでの離殿は難しくなっている
・その結果、上肢の過緊張や反動で立ち上がり動作を遂行させている印象
2回の立ち上がり動作で上記を観察・分析し、検証としては、
・右股関節屈曲可動域の制限は?
・右下肢の抗重力伸展活動は?
まずこの2つを検証する事にしました。
股関節屈曲制限は臥位で膝関節屈曲位で85度でした。これでは立ち上がり動作における体幹前屈は作れず、その影響での代償動作はある程度仕方ない事になります。
それを根本原因が変わっていないのに、もっと患側下肢を使って!や代償的に使ってる上肢を使わないように。などを患者さんに言ってしまうと患者さんは動きたくなくなります。
そうでなくても怪我をして、動きたくない身体なのに、信頼しようとしているセラピストからさらに動きにくい事を言われ続ければ嫌いになる事もわかりますし、セラピストへのラポールも形成されません。
その患者さんに詳しく聞いていくと、
『立ち上がりの運動は疲れないし、痛くもない。でも嫌いなの。』この発言でセラピストの説明不足だろうなと思いました。
『疲れなくて、痛くないのに何でやりたくないないんでしょうね?みんなに色々言われるから??』と聞くと、
『苦笑』
きちんと患者さんの発言・態度・行動に目を向けて評価、問題点抽出、治療と検証を行っていかないと患者さんを置き去りにしていき、なかなか思ったような改善が見込めません。
今日はここまで。
次回以降で、股関節屈曲制限因子や抗重力伸展活動の分析をまとめます。
