メリクリ⑤ | 01-maiのニノ & 3児の母ちゃん blog

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嵐・二宮和也❤︎に関するつぶやき〜

夢で会えたお話。
妄想のお話。


エピローグ



「店長!すみませんでした。途中で抜けちゃって。」



「その顔は会えたんだな。ほら、仕事に戻れ」
ニヤッと笑いながら店長は言った。


「はい!」




残り20分弱。
目標個数まであと2個。


2個売ったところで、行ってしまった君に連絡先はもう聞けない。
それでも俺は最後までやり遂げたかった。


クリスマスがあと数時間で終わろうとしている夜に、クリスマスケーキを買う人はもう少ない。

閉店5分前。
ケーキがやっと一つ売れた。


残り5分…

「おーい。そろそろ閉店準備よろしくー」


「あ、はい…。」


ダメだったか。あと1つだったのに。



片付けを始めたけれど、どうしても飽きらめきれず、ケーキのテーブルだけは最後まで残しておいた。
しかし。

「よーし、閉店だ。三日間ご苦労様。お、あと1つだったかー。残念だったな。お前、これ持って帰っていいぞ。どうせ廃棄だし。」



「あ、ありがとうございます。」




「あの…すみません。そのケーキもうダメですか?」



声を掛けられ振り向くと、そこには。



『そのケーキほしいんですけど。』


優しい笑顔の君が立っていた。



「え⁉︎帰らなかったの?」



『だって…。私まだケーキ食べてなかったし。それに…サンタクロースさんが大事なもの落としてくから…』



その手には俺の家の鍵。

「俺の…せい?」



『サンタクロースからのプレゼントだよ、きっと。』




「…………。
申し訳なさと、また会えた嬉しさで言葉を失っていると

突然、





「メリークリスマス!!!」

店長が大きな声で笑いながら店内へ消えていった。





「『……………。』」


しばしの沈黙の後、
顔を見合わせ笑い合いながら、2人並んだサンタクロース達も店の中へと入っていった。









あとがき。。。

季節外れかとは思ったんですけど、デジタリアンを聴いていたらどうしても「メリークリスマス」のお話を書いてみたくなって。
私なりの解釈でお話にしてみました。
解釈の違いでイメージが違うって思われた方がいらっしゃったら、ごめんなさい。本当に私なりの解釈なので…。


最後は、敢えて結末には触れずに終えてみました。
ニノの詞自体が曖昧なまま「それでどうなったんだろう」って感じで終わっているので、その世界観を壊さないようにと思いまして…。
なので、「メリークリスマス!」と言った後のお話はエピローグという形にしてみました。



初めてメリークリスマスを聴いた時から、この詞で様々な想像を巡らしておりました。それを全5話という短編ではありますが、お話という形で書くことができて本当に良かったです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。