兄に教えてもらった大きな病院にかかることにまずは決め、
胃カメラ検査を実施したクリニックから紹介状とプレパラートを送ってもらった。
そして迎えた初診日。
ロビーで受付を済ませ、まずは病院のシステム等のオリエンテーションを受ける。
その後すぐに血液検査のための採血を済ませ、改めて胃カメラ、バリウム、CTなどフルコースで検査を受けた。
その後診察予定の時間まで待つ。
診察時間になって呼び出しがかかり、私と妻は緊張とともに診察室に入った。
執刀医となる担当の胃外科の先生は、ソフトで優しいタイプの先生だった。
先生からは現在の身体の状況や、今後の予定などの説明を受けた。
次回はさらに検査入院を行い、お腹に小さな穴を開け、腹膜内を腹腔鏡で検査するという。
そして審査腹腔鏡で転移がなければ、次の週に胃を全摘することができる。
転移があれば、手術の適応とならないのでまずは抗がん剤から治療がスタートする。
妻は、説明をずっと神妙な面持ちで聞いていた。
ここまで、あれよあれよという間に治療のシステムに飲み込まれ流されてきた。
結果的にはよかったのだが、当初考えていた、納得がいかなければ病院や先生を変えることなど、おそらく難しかったと思う。
それほどに、病気が発覚する前後からの、病気に対する精神面と、怒涛の治療への流れは目まぐるしかった。