人気エコノミスト浜のりこ氏の本である。
機軸通貨をめぐる各国の争いの歴史がよくわかった。ドルの覇権はすでに終わり、「世界のアイドル」をめざしていたユーロは、ギリシャ、スペイン等の負債をどう処理するかで、統一の難しさを露呈している。
被災し、財政赤字に苦しむ日本。なぜ円高が止まらないのか。著者は債権大国である日本の円は裏機軸通貨であるという。
タイの通貨危機の原因は日本であるということや、1ドル50円になるだろうという根拠は統計やデータを提示して述べられていなくて残念である。
21世紀の通貨は、世界共通通貨とその国独自の通貨と地域通貨の3D型通貨になるだろうという著者の考えはおもしろい。
この本を読んで、通貨の本質とその影響について興味がわいてきた。