この連休の間で、連絡が来るんじゃないかな、と思っていた。


心の底で期待していた。


そしたら本当にくるんだもの。


ずるい男。


3日は夜勤だって言ったら、じゃあ今日行くわ。って。


わたしが断ると思ってないんだね。


でも車を見た瞬間、声を聞いた瞬間、顔を見た瞬間、わたしはあの人をどうしても断ち切れないと思い知る。


半年ぶりくらいかな。何も変わってない。


沖縄に社員旅行に行ってるって聞いて「シーサーの置物がおみやげに欲しい」ってメールした。


もちろん返事はなかったけど、きっと、あの人なら買ってきてくれるって思った。


それを口実に会えるって思った。


わたしもずるい女。


ちゃんと買ってきてくれた。



西岡の梅林公園。


何年か前にあの人と行って、梅がきれいだった。


また一緒に見たくて連れて行ってもらったけど、さすがにまだ咲いてなかったな。


車の中で、公園で、色々な話をした。


あの人は会うと必ず、まず最初に「元気か?」って聞いてくる。


わたしはあの人に心配してほしくて、わざとらしく「元気だよ」って答える。


あの人には仕事のことも私生活の事もなんでも話せる。


大人だから、慰めもしてくれるけど叱ってもくれる。でも優しいけど。


そして頭をポンポンってしてくれる。あれは反則だよ・・・



あの人はもう愛とか恋とか、もうめんどくさいからいいって言う。


前にも増してめんどくさがりになってる。


相変わらずあの女とはただの同居で、キースがいるから一緒にいるだけで、


卵焼きがいつも焦げてるとか、ドアをちゃんと閉めないとか、そんな愚痴を言う。


籍を入れないからうるさく言わないだけで、「嫁」になったら許さないって。


そんなことをちゃんとできないヤツを嫁にしたいとは思わないって。


でも2人には年月があるから。


あの人が本心からそう言ってるかどうかはわからないけど


あの女はなんだかんだあの人を離しはしないだろう。



ドライブをして、ごはんを食べに行って。


「おまえとこういう風にダラダラ過ごす時間が楽しい」って言ってくれた。


「俺と一緒にいて喜んでくれているのが・・・いいな」って言ってくれた。


どうしてそんなこと言うの?


楽しいに決まってるじゃない。うれしいに決まってるじゃない。


前みたいに頻繁に会えなくなって、数か月ぶりに会えたんだよ?


笑顔になるに決まってるじゃない。


悲しくなること言わないで。


わたしか共感性を持っているって話したら、


「じゃあおまえが1人で泣いてる時は誰がそばにいてくれるんだ?」って言われた。


「おまえはいつも泣いてるからな」って。


そう言ってくれるのは、あなただけなんです。


強がってなんともない風に返したけど、他でもない、あなたがそう言ってくれるなんて。


本当にずるい男。



連絡が来た時点で、ドライブとごはんだけで終わることはないと思ってた。


むしろわたしもそれを望んでたからいいんだけど。


やっぱり身体が深くつながると、落ち着く。


人肌。体温。吐息。


あたたかい。


たくさんキスをして、抱き合って、手をつないで、話をして。


あたたかかった。


「久しぶりに会ったけどおまえ可愛くなったな」


「お前に彼氏ができてほしくないな」


「たまには俺のことを思い出して」


そんなこと言わないで。


幸せになる事諦めないで。めんどくさがらないで。


わたしがいくらでも助けてあげるから。


わかってる。あの人はずるくて最低な男。


公衆電話から電話してきて、メールはするなって言う。


忙しいのわかってるけど、気が向いたときにだけ連絡してくる。


出てけって言われたらいつだって出ていくけど、自分からは行動を起こさない。


でもそれでもいいよ。


わたしがあの人の癒しになる。


わたしと一緒にいる事で少しでも癒されて、また明日からがんばろうって思ってくれるなら。


わたしのこと都合よく使っていいよ。




次に会えるのはお盆休みかな・・・


夏までには何かが変わってるだろうか。

あいつが恋をした。


最初に聞いた時は冗談かと思ったけど。


どうやら本気らしい。


十年ぶりかっていうくらい、あいつにとっては久しぶり。


中学生みたいにおろおろしてて、話を聞いて目からうろこだった。


昨日食事に誘って、OKをもらったと思ったのにその子が帰ってしまったと言って


相談のメールが来た。


うじうじと悩んでいて若干うざかったけれど、でもほほえましかった。


廃人のように生きてきたあいつが、また誰かに恋をして、悩んでるなんてね。


そんなあいつを見るのは初めてで、驚くばかり。


結局、近いうちには告白してしまうだろうと自分で言ってた。




それはすばらしい事だと思う。


好きな人ができたら、告白する。世間一般的にあたりまえの流れだ。


告白しないと何も始まらない。


あいつが告白して成就する可能性は低いけれど、それでも告白するって。


そんなあいつを心底すごいと思う。


「言わずにはいられない」みたいな気持ちに、わたしはなったことがない。


女々しくても、うじうじ悩んでいても、恋をしているあいつがうらやましい。




あいつの恋が、うまくいけばいいなと思う反面、どうせうまくいくわけないと思う気持ちもある。


あいつの一番理解者はわたしで、近くにいれるのはわたしだけ。


歪んだ独占欲が顔を出す。


これはでも恋とは違うと思う。


告白する話を聞いて寂しい気持ちになったことは事実だけど。


仮にも好きな人に自分がやらかした話はしないだろう。


親友・・・・なのだろうか。


わたしは誰かの親友になれるのかな。


あいつだってわたしを信用して相談してきたんだろう。


あんなに壁が分厚かった心を、長い時間かけてやっと内側に入ったのに。


あいつの好きな子はそれをいとも簡単に超えたんだ。


でもその子に対する「好き」とは違う「好き」をわたしに対してだって抱いてくれてるはず。


長い付き合いだし。


その子には話せなくても、わたしにしか話せないことだってあるはず。


うん。それはそれで嬉しい。




でも所詮は男と女。


いつかは離れていくのかな。




やっぱりうまくいかないでほしいな。

今日がもうすぐ終わる。

何もしないで終われる。

あの人は今日をどんな風に過ごしたんだろう。

やっぱり仕事かな。

それでも、あの女に好物のからあげ作ってもらって、

キーとニョンと遊んで

それなりな誕生日を過ごせたのかな。

欲しいものが手に入るといい。

あの人の欲しいものって

売ってるものじゃないと思うけど。



今年は心の中でつぶやく。

【誕生日おめでと】