借金をしているわけでもない。
嘘で誤魔化しているわけでもない。
行動や思考で手を抜いているわけでもない。
それでも〇×△は、虫の足を1本1本むしり取るように、僕の体を
不自由にしていく。囲い込まれていく。
飛べない僕は、大地の進める方向を首を振って見ても、むしられ
た足を忘れてバランス崩して、すっ転ぶ。
〇×△は、そんな僕を触るのも嫌だから、木の枝で挟んで、水の
上に落とした。太めの枝で沈ませたり、浮いたその場でジタバタ
する僕に、軽い笑いの鼻息が届いた。
何本かは根っこまで、数本は真ん中まで、1本は先っちょだけ、
むしり取られて、水の上に浮かんでいるけど、泳いでいるよう
には誰にも見えないだろう。
手を抜いて嘘で誤魔化しているほうが皆うれしいのかい。
そうして欲しけりゃあ、やってやってもいいぜ。
担当KK