「それは俺も考えた…
でも そうなると犬飼の言った言葉とは矛盾する 犬飼は女が吸血鬼になる事はあり得ないと言っていた…」
理がエスプレッソを飲みながら翔に言った
「それは本当に真実だと思ってるの…?」
「犬飼が嘘を言ってるって言うのか?」
「違うよ… 犬飼は自分の一族の存在しか知らなかったから別の存在を考慮してなかったんだと思うよ…」
「別の存在だって…?
そんな情報どこからも入ってないけど…?」
「そりゃそうでしょ…
犬飼が知り考えもしない事実をこっちが探ろうなんて思わない プラス そんな出会い系の一場面なんてメディアに知れる訳もない… 暗示をかけて意識を操作してるならなおさらね…」
「確かにね… 傷痕が無きゃ白昼夢で通る話だから…」
「だったら その後輩だけじゃないかもしれない… 調べる必要があるかもね…」
「そうだ… 結城里杏とかその親戚の可能性はないのかな? ミス研の部長の結城美沙とか…?」
「あの二人じゃないよ… 里杏はともかく 美沙は完全に人間だから…
里杏にしても一族の自覚がまるで無い…
微かに他人の意識が読めるだけの普通の中学生だよ あの子は…
自覚のない人間が無意識にそんな行動を取る訳もないし 肝心なのはあの子はバージンだって事だよ…」
「あっ… そうか 男と出会い系で知り合って関係を持つ女がバージンな訳はないか…」
「でも もう一つ 意識を操作出来るなら関係を持ったってビジョンを植え付ける事も出来る訳で 可能性を考えるなら僅かにはある… ただ そんな事を出来る能力があるなら里杏の心の奥底まで読めるってのは明らかに矛盾があるからね…
里杏の能力が遥かに上で俺が騙されているって場合もあるにはある…
そうなると話がかなりややこしくなってくる…
里杏にはこちらの行動や目的は筒抜けだって事だから…
こんな場合のシュミレーションはしてなかったからなぁ…
どうしようか…?」
「そうだなぁ… 仮に まったく関わりのない第三者に暗示をかけて見張らせるにしても 意識が読み取れるならバレるか…?」
「あっ… ロボットってのはどう…? 映像も送れるヤツ… 小型で目立たず しかも身に付けてても違和感がない…」
「それはいいかもしれないけど どうやって里杏に渡すんだよ…?」
「それなんだよね…」
翔はしばらく考え込んだ