「ここに居たいって 吸血鬼も君には家に帰れって言ったんだろう…?
またどうして…?」
三村の問いに里杏は苦笑いして答えた
「あたし 吸血鬼さんが好きです…
死んだからって思い切れないし… 帰ったってママやパパが考えを変えてくれるとは思えないから…」
「うちのスタッフから聞いてるよ… 君の事が原因でケンカしてた事もあったんだって…?
でもな…
こんな事になったんだ… 君が居なくなった事で ご両親もきっと後悔してるよ 考えも変えてるんじゃないかな…?」
「そうかなぁ…? パパとママ けっこう頭固くて あたしが居なくなった事もどっちのせいかで揉めてると思うし… 」
(それもそうかもしれんが…)
「とにかく… すぐにという話じゃない…
体調が完全に回復してからだ…
さっき体温を計ったら微熱があったし…
ここで入院治療してる期間にどうするか決めるといい
治療費の心配はしなくていいからね…
それから薬はちゃんと飲みなさい いいね…?」
三村はそう言い残すと部屋を出て行った
その足で三村は屋上に行き携帯から徳田に電話を掛け 里杏が意識を取り戻した事を報告した
『その子がそう言ったのか…? 犬飼が黒いロングコートを着て悪魔の部下になると…?
こうなると悪魔は実在すると考える方が妥当かもな…
それで犬飼の容態は…?』
「たぶんダメだ…
意識を取り戻すとは思えん… 最悪 死亡宣告をして臓器を取り出し研究に回すしかないな…
親族に連絡を取ろうにもほとんど手がかりになる様な物が見つからない…
こちらで引き取り手不在のまま 葬儀を出し火葬するしかない…
そっち 苅野の実家の方はどうなった…?」
『本家の現在の当主が出した条件を本部が飲んだ…
それで財団の幹部が全員で会議を開いて相談した結果 本家の当主が指定した物を持って交渉係が出向いた
当主はそれを見て交渉に応じたらしい…』
「ほぅ… たいしたもんだな… ちなみに何を持って行ったんだ…?」
『何だと思う…?』
「わからん… 教えてくれ…」
『純真無垢な子供の笑顔と夢や希望に溢れた未来… だとさ…』
「何だ…? そりゃ…?一体どうやって…?」
『さあな…ふふふ… 』
RED BLOOD
完