「…ゾンビ?スケルトン?何を言っているんだコイツ」なんて思う人がいるような気がするから、ちょっと説明しよう。
 この世界にはモンスターがいる。具体的な生態は一切わかっていないが、人を襲うのが本能だと思う。遠めで見れば人と間違えてしまう「ゾンビ」、弓矢を飛ばすが、体はもろい「スケルトン」、巨大なクモだが、案外弱い「スパイダー」、自爆する「クリーパー」、そして最後は、背の高い影のような姿の「エンダーマン」。コイツは中立的で、自分から攻撃することはないが、目を合わせたり、ちょっかいを出すと襲ってくる。おまけにワープする能力を持っているから、モンスターの中ではある意味、一番強くて厄介な相手でもある。クリーパーは近づいてくると自爆する性質を持っていて、俺はあまり相手にしない。自らの体が吹き飛ぶ程度だから、さほど威力はないけれど、万が一爆風に巻き込まれてしまうと、二次被害で怪我を負う危険がある。対処法としては、弓矢で狙うのが一番安全だ。もし散歩でもしている時に、クリーパーを見つけたら、ぜひ試して欲しい。
 普段は夜中や洞窟といった、暗いところにしか出現しない。朝日が昇れば、ゾンビやスケルトンは燃え尽き、スパイダーは攻撃性が少なくなる。だから基本は昼間にしか俺たちは活動できない。夜になれば家の中に入る。そうすればモンスターは入ってこられないから安全なのだ。
 今のところ五種類が基本だが、風のうわさや、本によると、まだ知られていないモンスターがいる、なんて話も時々聞く。
 
 こんなことしていると、他人からは寂しくないのかと思われそうだが、レイやマーク、シェパード、ルークもいるし、ネコのミーシャもいるから寂しくはない。毎日、身長より少し高い作りの家から出かけて、畑や製造の作業をして、時に洞窟に入ったり、暗くなれば戦いに赴く。結構充実した生活だと自負している。

 だけど時々、意味も無く海岸や森、空を意味無く眺めることがある。その時、俺の中にはぽっかりと空いた空洞みたいなものが出現する。言い換えるなら、「むなしさ」というのだろうか。毎日のように感じているけど、何もしなかったり、景色を見ているときには特に存在感を増す。昔からそうだった。一体どうしたのだろう。できるのなら、早く消し去りたいといつも思っている。

 俺の名はムサシ。成人してまだ1年経ったばかりの青二才だ。幼いころは別の地方で、両親と暮らしていたが、ある日、突然モンスターの集団が村を襲ったせいで、住んでいた村は崩壊し、二人とも亡くなった。それ以降親戚に引き取られ、育てられてきた。今は親戚の家がある村を離れて、村落から少し離れた土地で一人暮らしをしている。
 普通の人からしたら、自殺行為に見えるかも知れないけど、狼やネコと遊んだり、畑作業をしたり、釣りや道具作りなんかをしたりするのはすごく楽しい。
 もちろん夜は危ないけど、堀や柵を作ったり、武器も製造しているから対策はばっちり。自分の工夫次第でどんどん生活が良くなっていくのが、面白くて仕方が無い。

 当然だけど楽しいことばかりじゃない。夜になればモンスターが出てくるし、洞窟内に行けばなおさらだ。昼間でもエンダーマンやスパイダー、海や川辺ではゾンビがうろついている。村で暮らしていた時にも、何人もの人が怪我をしたり、犠牲になった。昼間に作業をしていたら、いきなりスパイダーに襲われたこともあるし、夕方頃にゾンビに追い回されたことも数え切れないくらいある。
 だけど俺は時々、家や村の回りをうろついているゾンビやスケルトン・スパイダーを退治している。昼間にうろついていたエンダーマンと戦ったこともある。もう4年前からやっているが、いつだって命がけだ。昨日もゾンビ2体とスパイダー3匹を倒した。狼のレイとマークのおかげでもあるんだが、武術の腕が上がっているのは間違いないだろう。やはり実戦に限る。

 もちろん、育ててくれた親戚に孝行はしているつもりだ。むこうでは、鉱石を取る人が数えるほどしかいないので、俺が取った鉱石や作物をいくつか村に送っている。そのおかげか、村の人々からは感謝されている。
 だけどモンスター退治に関しては、親戚をはじめ村の人たちは「なにをやっているんだ…」と呆れていて、いつも肝を冷やしているようだ(それじゃ親不孝だよナ)。
〈世界は残酷だ。そして、とても美しい〉


ほとんどの人は、恐怖を感じたらまず逃げようとする。別に悪いことではない。当然のことだし、それは人の本能でもある。
俺も幼い頃から、そうしてモンスターなどの危険から逃げてきた。数年前までは―。


何本かの松明で明かりは確保した。レイとマークには周りを任せてあるから、側面から襲われる可能性は少ないだろう。これで正面の敵に集中できる。
前からはゾンビが2体。1体目は20メートル前、もう1体は少し左斜めに60メートル位だろう。明らかにこちらを認識している。それでいい。

4年前、昼頃にいきなりスパイダーに襲われた。あの瞬間は、ただただ恐怖しかなかった。必死に剣を振ってはみたものの、相手の攻撃でどうしようもないほど追い詰められた。もうだめだとその時思ったけど、間一髪、オレが振った剣が飛び掛ってきたスパイダーに命中し、奴は死んだ。その屍をみて感じたのだ。


「-不可能じゃない。俺でも…勝てる-」


 相手はゆっくりとこちらに来ている。鈍いからしょうがないのだが、かといって油断はできない。実際何度もゾンビの攻撃を受けてきた。
だが一歩も引く気はない。
逃げてばかりじゃ何も変わらない。あの時感じたのだ。逃げてばっかりだった自分でも、できるってことを。だからこそ…戦って勝つ。それが俺の信念だ。

そして俺は、相手が10メートル前に近づいてきた瞬間、鉄の剣を構え、地面をけった。靴と地面のこすれる音が、今夜の戦いの始まりを告げた。


この物語は、「マインクラフト」とyoutubeの「あかがみんクラフト」を参考に、一人の主人公を中心にして描きました。

ゲーム設定などとの相違がある場合があると思いますが、それは物語を書く上で、変更した部分があるからです。

私の独断と偏見で構成しておりますので、「これは違う」と思われても、妥協していただけるとありがたいです。

作家ではないので、構成や文章など、不備がある部分もあるとは思いますが、それでも楽しんでいただければ幸いです。



参考にさせていただいた「あかがみんクラフト」のメンバー方には、この場をかりて感謝します。