"大勢の人が見つめる中、辻回しをする函谷鉾=2023年7月17日午前10時10分、京都市下京区、新井義顕撮影"

日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭で前祭(さきまつり)の山鉾(やまほこ)巡行が17日、京都市内であった。山鉾巡行を見る1席40万円の「プレミアム観覧席」は全84席中、8割近い65席が売れた。売り出した京都市観光協会は「これだけたくさんのお客様にお買い求めいただき、とても手応えがあった」としている。






訪日外国人観光客らの富裕層をターゲットにした初の試み。購入した人は京料理を食べながら、山鉾に手を振るなどして楽しんだ。

プレミアム観覧席は、河原町御池交差点(京都市中京区)に設けられた。3段の階段状で、高さは60センチ~1メートルあり、山鉾の巡行や辻回しを目の前で見やすくなっている。観覧席は、外国人が座りやすいようにいす席にしつつ、畳や座布団を用意して和風に仕上げ、日よけのパラソルもある。お酒を含む飲み物や京都のおばんざいなどを食べ飲み放題で味わえる。英語と中国語のイヤホンガイドの解説もある。

各地のまつりでも外国人観光客らを対象に、高額の特別席を設ける動きがある。青森市で8月に開かれる「青森ねぶた祭」では、100万円の「VIPシート」を販売。徳島市で開かれる「阿波おどり」では、1席20万円のプレミアム桟敷席を売り出した。(鈴木康朗)