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木村くんは中学2〜3年時のクラスメイトでした。クラスのリーダーで静かで大人っぽくて、サッカー部に入っていて、政治にも関心を持っていました。どういう風に、と言うのは今となっては説明できませんが、クラスでただひとり、中2ですでに政治にも関心を持っていたのです。
学活とかHRという訳の分からない時間に、担任が木村くんに政治に関心を持つきっかけとなったのは何だったのか尋ねました。すると、考えながらもはっきりと「テレビで春闘のニュースを見たのがきっかけでした」と答えました。
「同じ年の中学生がどうして!?」ととても驚きました。私は社会的事象に関心が薄いというか、どういう視点で関わって行けるのか分からずにいたので、基盤をいち早く見つけた木村くんが羨ましく、大人びて見えました。木村くんはその後私と同じ高校に進み、宗教や政治(民主青年同盟etc.)に次々に関心を持ち、関わっていったようです。
誰にとっても日々は慌しく過ぎて行き、機会があれば話してみたいなと思うようになっていた頃に、通院先の病院で木村くんを見かけました。職場の健診で引っかかって検査に来たように思え、そんな時に話しかけるのはどうかと思い、断念。その何年か後に、訃報に接しました。50代半ばでした。
そんなわけで、毎年春闘のニュースが流れる度に木村くんを思い出します。また、木村くんに説明を求めた担任は、もしかしたら良い先生だったのかもとも思うのです。
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