あおい水のかげ 八木重吉

たかい丘にのぼれば
内海の水のかげが あおい
わたしのこころは はてしなく くずおれ
かなしくて かなしくて たえられない

 (詩集「秋の瞳」より)


今日、母の最後の病院の支払いに行って来ました。自転車に乗って行きました。冬になったら、歩いて行こうと思いつつ、そういう日は来ない気もしていました。

病院の近くに、屯田兵の入植者の碑がある家があり、広い敷地に倒木が放置されていました。母と同じフロアーにそこの家のおばあさんも入院していたのですが、その倒木も雑草もすっかり整理され、敷地に新築工事も始まっていて、もしかしたら、その方も亡くなったのかと思いをめぐらせました。

会計のところで、看護婦さんが目礼をして通り過ぎ、転院した日に母の面倒をみてくれた人だったと気づき、自転車置き場に戻った時、悲しみがこみ上げ、父と結婚して自分を産み育ててくれた母に、思わず深く感謝しました。

(過去ブログの再掲載です。)