親子は一世の縁、夫婦は二世の縁と言うそうです。それで、人は死んだら先に亡くなった夫(妻)のもとへ行くという言い伝えがあるのかと思います。

私の両親は、当時は珍しい恋愛結婚だったので、当然、母は父のところに(イメージ的に)行くのだと思っていました。


   


6年余りの要介護の時間に、母に「これまでで、いちばんうれしかったのはいつ?」と聞きました。「女子大に入学するために上京した時」と、意外にも母は即答しました。
(分かっていませんでしたが、母はお嬢様でした。)

わけがわからず、なぜと聞くと、「いつも両親は2人だけで旅行に行ってしまうのに、この時は私といっしょに行ってくれて、入学式までずっと3人で過ごせたから」とのこと。

13人兄姉の末っ子だった母は、両親に存分に甘えたという意識がなかったようです。(いつだって、べったりくっついていたよ、と伯母たちは言っていたようですが。)


   


このままだと母は、父ではなく、祖父母のもとに行ってしまう。。。と、焦った記憶があります。今は昔、です。

*なお、主従は三世の縁なのだそうです。「御宿かわせみ」
 を読むと納得です。
(34巻「浮かれ黄蝶」ちょうちょの「さんさ時雨」の二節)