「森林がサルを生んだ」に、霊長類は感染症に弱いという記述があったと記憶していました。そこは合っていましたが、著者が間違っていて、杉山幸丸と思っていたのが河合雅雄でした。><

読み直すとこうでした。「食うものと食われるものといった関係からみると、サル類の個体群調節を外側から行なってくれるものは誰もないが、別の側面からみると、実は大変な役者がいるのに気がつく。それは病気である。中米の森で、リスザルやホエザルが黄熱病で死亡し、腐敗した大量の死体のために、森に近づけなかったという話がある。また、インドやパキスタンから輸入されるアカゲザルの八十%が結核だったとか、カニクイザルの半数が赤痢に罹患していた、という事実もしばしば報告されている。」

さらに、サナダ虫や胃虫・腸結節虫・線虫・蟯虫などのさまざまな寄生虫病がヒヒやニホンザルの体内にぎっしり詰まっているのを見る話があって、「サル類における自然淘汰の回転の歯車は、病気によって運転されていると言ってよいだろう。病気がなければ、サル類は人口過剰のために、とっくに滅びの道を辿っていたかも知れないとさえ思える。」(第二章から「人類進化を支えた病気」)とあります。