再び、ノンちゃんが私の人生と交錯する機会が訪れたのは、十年ほど前のことでした。

息子が引っ越したため、西武新宿線に乗るようになりました。高田馬場駅を出て間もなく、北側の車窓に氷川神社が見えることに気がつきました。渋谷のおばあちゃんの家に出かけてゆく、氷川様のある田舎というのは、こういうところだったのではないかと思い至りました。

幼少の頃、隣家によし子ちゃんという同い年の女の子がいました。よし子ちゃんの家は裕福で、子ども向けのレコードも数枚あって、「ノンちゃん雲に乗る」の歌もあったのです。

記憶に頼るだけで不確かですが、こんな歌詞でした。ノンちゃん、お兄ちゃんのタケちゃん、クラスのいじめっ子の長吉、の3番構成でしたが、タケちゃんと長吉の歌詞が混ざってしまったようです。あせる

一 学校へ行く道、帰る道
  ノンちゃんすまして、えっさっさ
  あんまり急ぐとひょうたん池に、どんぶりはまって河童の子
  ノンちゃん、ノがつくノン左衛門
  ノにかけて、ノンチャカノンチャカ、ワ~イワイ

二 夕焼け小焼けで、遠い道
  お芋の葉っぱが、ゆ~らゆら
  ほらほら来たよ叱られ坊主、大きなたんこぶおみやげホイ
  タケちゃん、タがつくタン左衛門
  タにかけて、タンチャカタンチャカ、ワ~イワイ

古い古い、昭和の歌です。(1947年出版)
この歌の歌詞とメロディがあったから、ノンちゃんたちは、色濃く私の中で生き続けてきたのでしょう。お芋はさつま芋で、麦と芋の実る石井桃子の育った浦和が、このお話の舞台になったようです。(過去ブログの再録です。)