犬の十戒
十数年前、近所のペットショップで出会いました。 ちっちゃくて、とても可愛くて、でも動物が苦手な私は、その小さな獣が怖かった。 ひとりっ子の幼い娘にせがまれ、飼うには飼ったけど、いつもおっかなびっくり世話をしました。 必要最低限の関わりしか持とうとしない私なのに、そのダックスの子犬は、ちょっかいばかりだす娘でも、帰宅するなりほおずりする夫でもなく義務感から餌をやり、散歩に連れて行く私のあとばかりついてきました。 湧き上がる愛情から始まった関係ではなかったけれど十三年が過ぎた今、大切な大切な家族です。 当時、食糞に驚愕し、悪戯ばかりの子犬に頭を抱えていた私… しつけ教室にも連れて行き、大枚はたいてドッグトレーナーに預けたり…でもさっきは出来たのに…と思っても家に帰るとふりだしで…私は、動物との意志の疎通など結局はなから信じず、買ったことを激しく後悔し、さらに投げやりな世話しかしなくなりました。 十数年前、そんな私に大切なことを気づかせてくれたのが「犬の十戒」でした。 今でも時折、読み返しています。 どなたが書かれたのかは存じませんが、無断で引用することをお許し下さい。「犬の十戒」1. 私の一生は、10~15年くらいしかありません。 ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。 私のことを飼う前にどうかそのことを覚えておいて下さい。2. あなたが私に何を求めているか。私がそれを理解するまで待って下さい。3. 私を信頼して下さい。それだけで私は幸せです。4. 私のことを長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。 あなたには他にやることがあって、仕事や学校や楽しいこともあって、 友達もいるかもしれない。でも私には、あなたしかいないのです。5. 時には私に話しかけて下さい。たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、 私は全身であなたの言葉を理解しています。6. あなたがどれだけ世話をしてくれたか、私は永遠に忘れません。7. 私を叱ったり、怒ったりする前に思い出して下さい。 私は鋭い歯で容易にあなたを傷つけることが出来るのです。 でも絶対にあなたを傷つけないと決めていることを。8. 私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けていると叱る前に 私が何かで苦しんでいないか、ほんの少し思ってみて下さい。 もしかしたら食事に問題があるかもしれない。 長時間、炎天下にさられているのかもしれない。 それとももう年老いて、自分でどうすることも出来ないほど弱ってきているのかもしれないと。9. そしていつか私が年老いても、どうか見捨てないで下さい。 私はあなたとともに歩いていきたいのです。10. 最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送って下さい。 「辛いから別の所で…」なんて言わないで欲しいのです。 あなたがそばにいてくれるだけで、私はどんなことでも安らかに受け入れられます。 そして…どうか忘れないで下さい。 私がいつまでもあなたを愛していることを。それなのにいつもいつもひとりぼっちで留守番ばかりさせてごめんね。食糞はもうあきらめた。シャンプーしてもすぐに臭くて、家じゅう抜け毛とふけが舞い散って、よだれもすごい。動物病院の医療費もほんとにほんとに馬鹿にならない。私のパート代、ほとんどそれに消えている。でもでも愛しているからね。いつまでも長生きしてね。