ANAパイロットの発言に不愉快な思いをしたのだが、不特定多数の人を運ぶ飛行機と 一人か二人組の人を運ぶタクシーは真逆であることに気付いた。

 ANAの飛行機は100人くらいの乗客を決まった時刻に搭乗手続きして、決まった時刻に出発するというシステムだ。ところが、タクシーはそうではない。26日の夜に空港に着いたのが、少し遅れたのは、その前に、常連の客であるクリーニングのSさん(70代女性)を乗せたからだ。Sさんは、従業員ではなく、某スーパー内にあるクリーニング店のオーナーなので、閉店19時にぴったりと仕事を終えるのではなく、19時半だったり、20時だったりする。昨日、配車があって、タクシーが店についた時効は20時25分だった気がする。そこで、すぐにSさんが乗ってくれたらいいのだが、Sさんは、「ごめん、ちょっと、(スーパーで買った)これを別のデザインのものと替えてくる。ちょっと待って」と言ってきた。そんな時、「空港に定時に着かないといけないので、ダメです!」と言えるだろうか?そのケースに限らず、タクシーの時間は読みにくいのだ。それは、客が「悪い、途中でコンビニに寄ってくれ!」とか言うことがよくあるのだ。そこで、「次の予約があるので、ダメです!」とは言いづらい。

 まとめます。タクシーは融通が利くのが売りの乗り物で、ANAの飛行機は、機械のように定時に出発して、定時に到着を求められる乗り物である。さらに言うと、都会の人間は、ペイペイなどの電子マネーで、さっと会計を済ますが、こちらのような田舎のおじいちゃん、おばあちゃんは、現金でゆっくり払う。高齢者なので、「ごめんね、歳をとって、手が自由に動かないから 支払いがゆっくりで・・・」と言われて「早く しろよ!」と言えるだろうか?「都会の効率一辺倒」と「田舎のゆとり」も都会育ちのパイロットと田舎育ちのタクシー運転手が対立する要因にもなる。