○黄昏に廊下をあるく
ワタシ、住処は横長のマンションの、2階の部屋であります。 私ひとりで暮らすには大きくも、小さくもない、程の良い広さです。 部屋の外は、プラタナスの行列がありまして、二階の廊下を歩きますと、枝がせり出すというぐあいになる時期もあります。プラタナスは芽吹きから若葉、枯葉のあと、ただいまは枯れ木ですが、この廊下を、やや寒さが和らいだ夕暮れに、押し車で散歩することにしています。 といいますのが遠出には寒い。出歩くチャンスがへり、運動不足を補給するためであります。 このプラタナス付き二階歩道を、黄昏時に歩きつつ、近頃しきりに昔を思い出しています。今まではなかったことで、ジブンでも困惑です。幼児期だの、少女時代。成人期やら忘れていた人、出来事などいろいろな過去が、歩調に合わせてずるずると浮かぶのであります。 これはどういうことなのかと、深く考えもします。 人は、死期が近づくと、こうして過去が美しい姿で脳に映し出されるとかいいます。しかし死期感も今日明日という風にも思えず、どちらにしろ、大変快い時間であります。こうして一寸寒さも和らいだ日の黄昏れに、ミニ散歩で運動不足を補っております。