サバイディーこんばんは
パクセーの岩井宙です
先々週のフォーラムで考えたことをまとめる時間もなく、
先週から6日間の教科書改訂会議がビエンチャンで開催されました。
これで第4回目になります。
4回も会議なにすんの?って話になりますが、
エコヘルスの教科書の第2版に向けて質改善と、その教科書をどのように使うかの指導書を作成しています。
参加者はNUOLプラス各TTCのエコヘルスメンバーです。
パクセー、ルアンパバーン、サワンはJOCVもいるため各地域の総括もしています。
さて4回目の会議ですが、
内容としては、前回2回修正してもう1度見たほうがいいとなった章の確認と、指導書全てです。
この他に前回加えることになった新しい章(エコヘルスのキーコンピテンシー、メンタルヘルス、障がい者教育)の内容確認になります。
今回パクセーからは、いつもの小学校課程の先生を変更し、生物の先生を連れてきました。
理由としては、今後中高理科コースにカリキュラムが開設される可能性が高いことと、
メインで仕事をしているのはこの先生も含めて3名でしたが、2名という縛りで今まで連れて来ることができていなかったためです。
ほんとは3名とも連れてきたかったのですが、JICAと相談して2名という話になりました。
なので来る前に会議の内容を共有し、指導書の改訂をお願いしていました。
結論として、この先生は知識も能力もあるので、すごい連れてきてよかったなという印象です。
自分の意見をしっかり言えていて、みんなからシオサーン(専門家)とニックネームで呼ばれたりしました。
パクセーチーム内のパワーバランス的にも今回この先生参加させていい感じになったかと思います。
ただこの会議を通して思ったことがあります。
それは、誰のための会議か
ということ。
というのも、ここ4ヶ月毎月6日間の会議をし、かなりの議論、毎月かなりの仕事をラオス人に振ってきました。
この日までに教科書を読んで文法を直す、この図は新しい図を探す、データの出典を調べる、このデータは新しいデータがないか保健省か教育省のとこから探す、ここは新たに書き直す、付け加えよう、などなど。
普段の業務とは別に、です。
教科書を改訂したことがないラオス人の先生が、自分たちで教科書の質を高める。
そのために会議をしてきたのに、いつのまにかラオス人の仕事から、
JOCVの仕事、日本人の仕事、に意識が変わっていたようの感じる部分がありました。
例えば、
ここがおかしいって言ったのはそらだから、そらがラオス語書いてよ、とか、
ラオス人はこれくらいの説明でわかるから大丈夫、とか、
あれ?誰のための教科書改訂なんだ?
と思うようなことが多くありました。
実際前回コンセンサスを得て新たに3章を追加するということになってましたが、今回そのために日本の先生は3章分書いてきたのに、
これは今入れなくていいという結論に。
(僕には日本人の先生が入れたがってるから仕方なく前回オッケーしたんだ、みたいに感じました)
いやそれ自分たちで前納得したよね?
まあ細かいところは覚えてないのは仕方ないにしても、構成上に関わることとか、重要な項目とか、それを覚えてない(もしくは理解してない)はちょっと4回目にして問題が出てきたかな、という感じです。
もちろん6日間会議をしっぱなしているので、日本人だって疲れるし僕らも全ての項目を理解しているわけではありません。
ラオス語の言い回しとか文の綺麗さとかは僕らがチェックするよりも当たり前ですが正確だと思います。
ですが、やはり自分たちで決めたことは、しっかりとやり通して欲しい。
当たり前のことですが、ラオス人と仕事をする部分でとても難しいことだと思います。
エコヘルスを教えるのは、日本人じゃなくてラオス人だから。
押し付けの教育に、意味などありません。
JOCVやプロジェクトがなくなったあとも自主的にエコヘルス教育を行う。
だからそのために今自分たちは教科書を改訂しているんだ。
そう思っている人がどれだけいるか。
決して教科書の改善の質が悪いとか指導書の質が悪いというわけではありません。
指摘する内容などは鋭い時が多くなってきたように感じます。
ただ、その仕事を自分事か他人事か、どのように感じ取り組むか。
ラオスは多くの支援機関や団体が入り、知識やお金を投与していきます。
援助慣れ、という言葉がありますが、
やはりラオス人のラオス人のためのラオス人による仕事(教育)が、
一番必要なのではないかと思います。
もちろんラオスには援助や支援は必要だと思いますが。
この教科書改訂&指導書作成会議も残すはあと1回です。
最後はラオス人が納得して使えるようになればいいのですが、
それまでのサポート、出来ることをしていこうと思います。
君にとってボランティアとは何かね?
あと2ヶ月。
僕なりの答えを探し続けたいと思います。