エスカレーターで、
トントントントン
誰か後ろからおりてきた。
その人がおりやすいように左にそっと寄る私。
トントントントン
だんだん足音が大きくなる
そして私の横へ
トントントントン
遠ざかる足音…
…ん?
遠ざかる足音…
あれ?
遠ざかる足音…が…
はて?聞こえない…
素早く視線を移動し横を確認。
いる…いるな…確実に…
おじさんが私の横にいる…
素早く視線を移動し下を確認。
いない…いないな…確実に…
そう…そのエスカレーターには私と彼の2人きり…
なぜだ…なぜ彼は足をとめたんだ…
ウィーン…
エスカレーターが動く音だけが鳴り響く…
ウィーン…
トン。
そうして私は彼と共にエスカレーターを降りた。
スタスタスタスタ。
困惑した私を置き去りにし、
彼はホームへと足早に去っていった…
今日はそんな日。