■父からのメッセージ | 魂の望みのままに新しい時代をつくる

仕事選びが進むにつれて自然と将来の自分を想像し、
キャリアビジョンを描きたくなるものです。

面接で聞かれることも出てくるでしょう。


キャリアビジョンが描けたら仕事選びが一層楽しくなりますし、
入社後も本気で仕事に向かえます。


一方で、キャリアビジョンを描くのは難しいという人が多いのも事実。


キャリアビジョンを描こうとすると、
「すること」を考えがちですが、

わたしはまず「どうありたいか」を意識するようにおすすめしています。

「どうありたいか」とは、


・ どんな人と、どんなふうに、何のために仕事をしますか?
・ 人としてどう生きていきたいですか?
・ どんな人生を歩みたいですか?


を考えることです。


なぜ「どうありたいか」に注目するかというと、

最初から「何歳で●●をする」という形式のキャリアビジョンを描ける人は

非常に少ないからです。


業種・職種にこだわらずに仕事選びをしている人は、

入社する会社によって仕事内容は180度異なります。


ローテーションで異動する人は、

何歳でどの部署で何をするか、決めるのは自分ではなく会社です。


「すること」で目標を描くのは、現実的ではありません。

また、この「何歳で何をする」方式のキャリアビジョンでは、

根本的に間違う可能性があります。


せっかく自分が喜び、本来の自分が輝ける仕事を探してきたのに、

知らず知らずのうちに既成概念にとらわれて、

本来の自分とはまったく異なることを目標にしてしまう危険性を含んでいるのです。


自分ではコントロールできない結婚や出産を予定に組み込むことで、

可能性を制限することもあります。


ですから、わたしは、「どうありたいか」で描くキャリアビジョンをおすすめするのです。

どうありたいかと聞かれて、パッと思いつくことは少ないでしょう。

ですからイメージするためのワークを用意しました。


ワークをはじめる前に、ちょっぴりお話させてください。



突然ですが、

「あなたが死んだあと、集まった人からどんな人だったと言われたいですか?」
と問われたら、どう答えますか?


これは、わたし自身が転職活動中に面接で聞かれた質問でもあります。

この質問を念頭に置いて、わたしの亡き父の思い出を読んでください。



父は生前、わたしにこう言っていました。

「葬式に何人の人が集まってくれるかで人生の価値が決まるんだ」


十代のころのわたしは、「友だちは数より質が大事」と反発していました。

「大きなお葬式をしたいなんてかっこ悪い」とも思っていました。


それから20年近くがすぎた、夏。


父がなくなった翌日、お通夜での出来事です。


地元の斎場で一番大きな会場に入りきれないほどの人が集まっていました。

お通夜が終わっても、なぜかみなさん帰らないのです。

仕事関係の方、同窓生、近所の人、わたしの同級生……。


そして、みなさんが声をかけてくれました。


「おいちゃんに励まされたのが転機になって、ここまで頑張ってこれたのよ」


「うちの子のことをよく気にかけていただいて、こんなに立派になりました」


「人生を投げ出しそうだったとき、治さんに助けてもらったんです。ありがとう」

「人付き合いが苦手で友だちがいないわたしが商売をやってこれたんは、

お父さんのおかげでね、本当に感謝しちょります」


「お世話になってばかりだったから、『お願いがある』って言ってもらったときは

嬉しくて、今でもはっきり覚えているよ」


親戚、よく家に遊びに来ていたおじちゃん、よく知らないおじさま・おばさま、

たくさんの人に声をかけていただきました。


わたしの同級生でさえ、

知らないところで父と関わっていて思い出を語ってくれました。


わたしの父だからではなく、

父自身とのお別れをするために来てくれていたのです。


翌日のお葬式。

昨日のお通夜に来て義理を果たしたはずの人が、また来てくださっています。


みな、棺(ひつぎ)にお花をたむけたいと、

娘のわたしに2順目がまわってこないくらいの人だかりでした。


義理ではなく、純粋に父とお別れをするために集まってくださった人たち。

心のつながりをもった、大切な人たちがたくさん来てくださいました。


来てくださった方への感謝とともに、

思うような生き方をした父ってすごい!

という実感が沸いてきました。


「葬式に何人の人が集まってくれるかで人生の価値が決まる」

ってこういうことだったんだ……。


恥ずかしながら、このときにはじめて気がついたのです。


父はこうも言っていました。

「この世に未練はあるが、後悔はない」

夢に向かって生きていたら

いつまでたっても「やりきった」と思うことはないのかもしれません。


しかし、これまでにしてきた選択に納得していたら

「後悔はない」と言えるのではないでしょか。

もし、これまでの人生に後悔がある人はどうするかって?


大丈夫です。”過去”は変えられますから。


もちろん、起った出来事は変わりません。

しかし今、幸せなら過去のすべてを愛せるようになります。

これからの生き方次第で、今感じている後悔も消える日がくるのです。


「後悔はない」、そう言える未来をつくたいですね。

そのカギは、「どうありたいか」を考えることです。


では、わたしの面接の場面に戻りましょう。


「あなたが死んだあと、あつまった人からどんな人だったと言われたいですか?」

と聞かれて、とっさに出た言葉は……


『人を輝かせるのが上手な人だったね』と言われたいです」


棺の中のわたしは、笑顔の人たちに囲まれています。

そして、わたしを囲む人たちは、口々に、

その人自身の人生がどれだけ幸せなのかを語っています。


反発していたはずなのに、たくさんのたちに見送られている姿が目に浮かびました。


『あなたの天職がわかる最強の自己分析』 は、

そんな未来を実現する仕事の1つとして、心を込めて書きました。


あなただけの喜びの源泉を追求し、

あなたらしい特性をぞんぶんに活かしてください。

本書が夢を見つけるきっかけとなり、

よりあなたらしさを輝かせるパートナーとなったらこれほど嬉しいことはありません。

では、ワークです。


あなたが死んだあと、あつまった人からどんな人だったと言われたいですか?

次のワークで、「どうありたいか」を考えてみましょう。


【ワーク】

お葬式には、あなたの大切な人たちが集まります。

まわりには、どんな人がいますか?

その人たちは、どんな顔をしていますか?

そして、あなたの思い出話を、どんなふうに語っていますか?

お葬式に集まった人からどんな人だったと言われたいですか?


___________________な人だったね


___________________な人生だったね

イメージしやすいほうで文章をつくってみてください。
この方向に人生が進むように、特性を磨き、仕事を選んで、輝いていきましょう。



7月25日。父の命日です。

7年前の出来事とともに、天職を見つけるヒントをお話させていただきました。

ありがとうございます。


【出典】

『あなたの天職がわかる最強の自己分析』  5章・212ページ

「キャリアビジョンは、『どうありたいか』で描こう」より




梅田幸子⇒http://with-c.net/

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