北海道洞爺湖にあるリゾートホテルの社長、窪山哲雄氏による、ザ・ウィンザーホテルのサービスが記されている。


お客様にご満足いただけるサービスとは何か。

サービス業で働いた経験がある方なら、一回は考えるだろう。

本書は、実際にウィンザーホテルのスタッフが実践しているサービスの手法がたくさん載っているが、そのどれにも共通する事柄は、常に完璧である事。

お客様の、自分でも気づかないレベルでのニーズを読み取り、不安の芽を摘み取る。

実に骨の折れる泥臭い作業である。

しかし、当ホテルの従業員はそれを辛いと思わず、むしろ楽しんでいるのではないだろうか。

それは、徹底した従業員教育の賜物でもある。

サービスに境界線はなく、年齢によってできる事を決めつけてはいけない。境界線は、お客様の笑顔が見られた時だ。経験が浅いスタッフにはこのように言っているそうだ。

従業員一人一人が常に頭を働かせて、よりよいホスピタリティを提供するために行動している。

それが、ウィンザーホテルが、長く愛される一番の理由だろう。


本書の一節で、「サービスはセクシーであれ」という言葉がある。

ここでいうセクシーさとは、遊び心を含んだ、魅力的でワクワクする感覚を指す。

これを抜きにしてしまうと、画一的なサービスに陥ってしまいつまらない。

初めての経験や、いつもとは違う空間。

たとえおじいちゃんやおばあちゃんになってもワクワクする感覚を提供する。

この言葉に心を動かされた。サービスとは、こうあるべきだ。

私も飲食店でのアルバイトをしているので、サービスとは何か、考える事は多い。

普遍的なものでもないので、何が正解か、何が不正解か分からない時もあるが、目の前のお客様が、笑顔になってくれればどんな形であれ正解だと思っている。

色んな方のサービス論を吸収して、自分らしいサービスの在り方を追求していきたいと感じさせてくれた本である。

ずっと読みたかった伊坂幸太郎の小説を入手。


1人の平凡な人間が、ある日言葉が通じる猫と出会う。そこで聞く話は、人間の想像を絶する世界だった。

クーパーという森に潜む魔物、傍若無人な国王息子、猫に話しかける鼠。アクの強い登場人物(動物)が物語を彩っていく。


現実では起こりえない世界で物語が進展していくのだが、随所に現実世界での皮肉が散りばめられているところは伊坂幸太郎らしい作品である。

展開も早く、最後にはどんでん返し。

一気に読み上げたくなる疾走感を含んだ小説。


たまたま学校の図書館にあったので、借りて読んでみた。


初対面の相手と話が盛り上がるような話術や、より親密になる方法が、70個の項目に分けて具体的に示されている。

すぐにでも取り入れられるものばかりで、非常に参考になった。


すべての項目を通して、共通することは「相手目線に立つ」ことと、「勇気を出す」ことだ。

まず、相手目線に立つことは、今更言われるまでもないのかもしれないが、対人関係を良好にするためにはなくてはならない。

しかし、なかなかできないのも事実である。特に、人をほめることは難しい。

ほめる方法については本書に詳しく記載されているが、面白いと思ったのは、ほめられることが下手な人が多い、ということだ。たとえ人をほめたとしても、ほめられることが下手な人は必要以上に謙遜をしてしまう。ほめた人は、「褒めないほうがよかったのかも…」と思い、結果的にほめる、という行為自体減ってしまう。ほめられた側も、「最近、全然あの人は私の事褒めてくれなくなった…」と落ち込む悪循環に陥るのだ。

日本人は、ほめられるのが下手な人が多いと感じる。自分らしいうまい受け答えができるようになると、今後の人生も大きく変わってくるだろう。



もうひとつは、「勇気を出す」こと。

本書の項目をひとつ紹介すると、電話では、自分が思ったことを、少しおおげさなくらい表現するのがベストであるそうだ。対面して話すときは、自分の表情が相手にも見えるので、「うん」という相槌ひとつをとっても、どんな気持ちで言っているのかが伝わりやすい。

一方で、電話口だと相手の表情が見えないため、対面と同じような相槌でも、相手の受ける印象がマイナスに変わってしまいやすい。

なので、電話では、相手の話す事に対して、自分の気持ちをオーバーに言語化するとよい。

「そうなんだ、すごい素敵だね!」「うん、びっくりしてる!」など。

これも、日本人はあまり得意ではないように感じる。自分の気持ちを言語化して伝える勇気が必要となる。私も頑張ります…。


その他にも、今すぐ使えるコミュニケーション術がたくさん載っているので、これから社会に出る就活生なんかにも、おすすめです。

「勇気の心理学」とも呼ばれるアドラー心理学に基づいた本。

終始対話形式で展開されているので、理解しやすい。


アドラー心理学は、初めて触れた思想だった。

全ての悩みは対人関係の悩みであり、しかも自分自身が、対人関係を難しくしている、というのだ。

つまり、上司のせいで仕事がうまくいかない、と悩んでいる人がいるとしたら、その人は上司が嫌いな自分を作り上げることで、仕事がうまくいかないという劣等感を少なくしようとしているということである。


そこで、自分自身を変えることで、人生はどれだけでも素晴らしくなれる。

自分を変えるために、本書では次の3つのことを示している。

①自己受容

②他者信頼

③他者貢献


60点の自分、ありのままの自分を肯定する。そして、他人にどれだけ裏切られようとも、見返りを求めずに信頼する。そして、自分は共同体の一員である、という認識を持って他者のために役立つ行動をする。


私はカトリックの高校で中学、高校時代を過ごしていたが、アドラー心理学は、カトリックに通じるものがあると感じた。

「あなたがあなただから素晴らしい」

「隣人愛」

昨年度をもって退職なさった校長先生の言葉が頭をよぎった。


ありのままの自分を愛してあげること。周りのために役立つ事なら、誰でもない、自分が始める。

勇気を持って。


それができたら、他人の目が気にならなくなる。他人から嫌われる勇気が備わる。承認欲求を求めることが無くなる。

自分が自分を認めてあげられるから。


そのようになった人生は、どんな景色が広がっているのだろう。

仕事がはかどらない、目の前の事に集中できない、人間関係に悩んでいる…

本書は、自分の周りにはびこるトラブルの根源の突き止め、改善していく方法が記されている。


筆者は、人間は、知らず知らずのうちに「箱」に入っている、と述べている。ここでいう「箱」とは、自己欺瞞のことであり、物事を一方的にしか見ていない為に、何か嫌なことが起こっても相手のせいにしてしまう。

箱の中に入ったままのコミュニケーションでは、うまくいかないというのだ。


そもそも、人はなぜ箱の中に入ってしまうのか。

それは自分への裏切りがあるからだ。

今動いたら、相手の為になることはわかってはいるものの、動くことが出来なかった状態だ。

自分への裏切りが、自己欺瞞につながり、自分自身を箱に入れることに繋がってしまうのだ。

このような場面は、日常でもありふれていて、私もはっとさせられた。


箱の外に出るためには、自分への裏切りを最小限にとどめる必要がある。

また、相手を無理やり箱の外に出そうとしてはいけない。根気強く相手を知る努力をして初めて、相手も心を開いてくれる。


この本には、抽象的な概念を私たちに提供し、具体的に箱から脱出する方法は描写されていない。

脱出方法は、人によって様々である。その方法を自分で考える必要がある。

しかし、この考える作業こそが、箱から脱出する第一歩なのだろう。

自分自身の行動を今一度振り返ってみる。反省し、次に活かす。

自分を自分で裏切らないように。