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| 従来は「格下ブランド」を指すのが普通だっ… |
【詳細画像または表】
◆10 Crosby DEREK LAM(10クロスビー・デレクラム)
あでやかなドレスの披露がニューヨークコレクションの華となって久しい「DEREK LAM(デレクラム)」から、初のディフュージョンライン「10 Crosby DEREK LAM(10クロスビー・デレクラム)」がデビューした。この新ライン誕生は、ディフュージョンラインの位置づけが変わりつつあることを象徴する出来事と言える。ファーストラインに次ぐ「セカンドライン」ではなく、テイストや方向性の異なる「もう1つのファーストライン」。複数の美を操る才能を授かった、本当のトップデザイナーにだけ許された特権とも言える。
2011年春夏コレクションのドレスを、ミッシェル・オバマ大統領夫人が夫と並んだ公式の場で着たとき、「デレク ラム」は米国が世界に誇るドレスブランドという評価を確立した。リラックスとリュクスが溶け合い、アメリカン・スポーティをエレガントに昇華させた独自のスタイルは、大人女性の内なる気品を引き出してくれる。その同じデザイナーが手がける「10クロスビー・デレクラム」は、本来のノーブル感やシックさを受け継ぎつつも、アクティブで若々しいムードが濃くなっている。1年を通して、どこへでも連れ出せるようなユーティリティー度もニューヨーク発のブランドらしいところだ。
中国系米国人のデレク・ラム氏は2003年9月のNYコレクションでデビューし、わずか7年で米国指折りのラグジュアリーブランドを育て上げた。女性を美しく見せるカッティング、シルエットが絶大な支持を得ていて、きらびやかなNY社交界の集まりで、彼の手になるドレスを見ないことはない。だが、最高の素材と繊細な手仕事が求められるとあって、ファーストラインのアイテムは若い女性にはなかなか手が出しづらいところも。その点、「10クロスビー・デレクラム」は米国での平均小売価格帯がドレスで295~595ドル、パンツが255ドルと、リーズナブルな線に抑えられている。
デザイナーは「“服の価値とデザインの整合性”」という理念を大事に、着やすく、買い求めやすい服を意識したという。「我々のゴールは買い求めやすい価格のファッションの経験を、今までとは異なる新たなレベルに引き上げる」という言葉には、ディフュージョンラインの進化を目指す気持ちが感じ取れる。ブランド名はマンハッタンに構えたフラッグシップ・ストアの住所から。ここにもファーストラインと同じ地点から送り出すという決意がみなぎる。
◆THAKOON CARBON COPY(タクーン カーボン コピー)
素材を変えて、表現のフィールドを広げるチャレンジングな試みも始まった。映画『プラダを着た悪魔』のモデルになった、米国版「VOGUE」誌のアナ・ウィンター編集長のお気に入りでもある、NYコレクション参加ブランドの「THAKOON(タクーン)」。タイ出身のデザイナー、タクーン・パニクガル氏は優雅でフェミニンなデザインで知られる。その「タクーン」から新ライン「THAKOON CARBON COPY(タクーン カーボン コピー)」が提案された。
「タクーン カーボン コピー」はジャージー素材だけを素材に選んだ。現代は当たり前の素材になったジャージーだが、もともとは下着用で、ココ・シャネルが1916年、ジャージー素材を大胆に採り入れたドレスを発表したのをきっかけに、おしゃれ服の素材に昇格したというエピソードでも有名だ。シャネルが目を着けただけあって、ジャージーの伸縮性や軽さは行動的な女性のライフスタイルを支える。
過去のプリント柄をアーカイブとしてよみがえらせる。電子メールの「cc」でおなじみの「カーボン コピー」という名前の由来だ。タクーン氏らしいカッティングが施されたトップスやワンピース、インナーなど、用意されたアイテムは幅広い。良質のジャージー素材が着心地の良さをさらに引き立てている。キャミソールが1万3000円~1万8000円、トップスが2万7000円~3万2000円、ドレスワンピースが3万2000円~5万9000円というこなれたプライスレンジも素材同様、親しみやすい。
タクーン氏には別に「THAKOON ADDITION(タクーン アディション)」という、リーズナブル価格帯のコンテンポラリーラインもあり、予算と気分で選びやすい。ファッション誌「ハーパース・バザー」のファッションエディターからデザイナーに転身したという事もあってか、着る人の気持ちが分かるブランディングにも、ジャーナリスティックな感性がうかがえる。
英語の「ディフュージョン(diffusion)」とは、「普及、拡散」という意味。その言葉の通り、ディフュージョンラインは、デザイナーズブランドの最上位ライン(ファーストライン、シグネチャーライン)に次ぐ、やや値段のこなれた格下ブランドを指すのが普通だった。ただ、最近のディフュージョンラインはこの定義に必ずしも当てはまらない。
デザイナーの感性を生かしつつ、価格を抑えるというアプローチは大きく変わっていないが、「ワンランク下」「廉価版」といった位置付けにない、別テイストのブランドとして提案されるディフュージョンラインが増えてきたのだ。「10クロスビー・デレクラム」や「タクーン カーボン コピー」はそのいい例だ。
◆under.ligne by doo.ri(アンダー ライン バイ ドゥー リー)
従来は「二番手」を意味する「セカンドライン」と同じような意味で使われてきたが、セカンドラインというポジションに甘んじない「1.5ライン」とも呼べるディフュージョンラインが現れ、賢い買い物の選択肢に加わり始めている。年齢層を下げた「ヤングライン」「カジュアルラアイン」もディフュージョンラインの類語としてあるが、「1.5ライン」は必ずしも若者向けとは限らない点でも、大人女子の眼鏡にかなう。
「under.ligne(アンダー ライン)」も魅力的な「1.5ライン」の1つに挙げられる。デザイナーのドゥー・リー・チャン氏はドレープ使いの名手として知られ、カッティングの冴えには目を見張らされる。NYコレクションブランドの「doo.ri(ドゥー リー)」から派生した新ラインはワンピースが200ドル台から用意されていて、リアルクローズ感が高い。ドレーピーな優美シルエットは「アンダー ライン」でも変わらない。フォルムの美しさを引き出すジャージー素材はフィット感が高く、デイリーに着こなしやすい。
着て行けるシーンの広さや、着回しのしやすさなども、新ラインに引き寄せられる理由だ。こなれたデザインはミックステイストの着こなしにもなじみ、自分流にアレンジしやすい。手ごろな価格で、トップデザイナーのセンスをまとえる新ディフュージョンラインはいろいろな意味でお値打ち感が高く、日本でもファンを増やしそうな気配だ。
(文・宮田理江)
10 クロスビー・デレク ラム
http://dereklam.com/10crosby/
タクーン カーボン コピー
http://www.thakoon.com/collections/carbon-copy/fall-2011
アンダー ライン バイ ドゥー リー
http://underligne.com/
(ブランド問い合わせ先)
ブランドニュース
電話:03-3797-3673
URL:http://brand-news.jp/
■変更履歴
10 Crosby DEREK LAMの写真のコレクション名に間違いがありました。本文は修正済みです。
宮田理江
複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤー、プレスも経験。多彩なメディアでファッション業界の現場経験を生かしたコレクションやトレンド情報を発信している。「買う側・着る側の気持ちが分かる」消費者目線での解説が好評。
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