帝王切開も立派なお産

そう頭では分かっていても、
我が身に起こることとは、なかなか思えないでいた。

術後のキズの痛みとの闘い、
血液製剤や術後の体の変化、
キズ痕が消えないであろうこと…

術後にどんな結果が待ち受けているのか、わからないこわさが大きく、帝王切開を受け入れがたくさせていた。

そんなところへ、
麻酔科の医師から手術当日について説明があった。

2種類の麻酔、および動脈カテーテルを、
すべて意識がある状態でとりつけて
赤ちゃんの産声を聞けるように手術を行うとのこと。

実際の手術室の映像もあったためか、
帝王切開が、生々しい現実のものとして目の前に現れてきたように感じた。

いくら赤ちゃんに会えることが励みになったとしても、
手術中の生々しさに耐えられるんだろうか?

そんな思いがよぎるほどに、
帝王切開そのものも、乗り越えがたく感じられた。


とはいえ、
手術時に何ができるかというと、
手術に協力し、手術の邪魔にならないことに尽きる。
もうあとは、専門家の先生方を信じて、野となれ山となれ、だ。

また、つい帝王切開にばかり目がいっていたが、
経膣分娩での
何時間続くか分からない陣痛や、
術後の会陰切開の痛みは
よく聞くところでもある。

実のところ、
陣痛の痛みに対しても同じように、
耐えられるんだろうか?
と不安を抱えていたこともあったのだった。

経膣分娩を経験できないことは残念でもあったが、
いずれにしても、
人ひとりの誕生は、痛みを伴う大仕事
なんである。

そう気づいたときに、
術後の痛みや手術の生々しさに抵抗していた気持ちが、
当たり前のお産の痛みだ
と、一つ覚悟がかたまるのを感じた。





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