「iran Japanese Radio」の記事より
<転記開始>↓
2012年 4月 16日(月曜日) 17:21
「アメリカ政府によるインターネット政策」
アメリカは昨年の間、イラン国民へ厳しい制裁を課すために、いかなる努力も惜しみませんでした。それにもかかわらず、アメリカのオバマ大統領は最近、イラン国民の考え方を大事にし、イラン国民の望みを理解する、と語っているのです。
オバマ大統領は映像によるメッセージで、「イランの人々がアメリカからのメッセージを見ることができるよう、インターネット内のバーチャル・アメリカ大使館が建設されている」と述べました。オバマ大統領の意見では、フェイスブックやツイッター、グーグルプラスではペルシャ語が利用できるようになっているのは、イランの人々にアメリカの政策を知ってもらうためである、とされています。
オバマ大統領の同情的に見えるこのメッセージの裏には、アメリカはインターネットに特に注目しており、以前にも増してインターネット上でアメリカの情報支配を拡大しようとする意図が隠されています。
アメリカは、他の国にインターネットを普及させるために莫大な費用を使っているにもかかわらず、アメリカ国内のみに限定されたインターネットを構築しようとしています。このことは、アメリカ政府の言行不一致を明確に示しています。アメリカは国内限定のインターネットを構築することで、自国の政府に対するサイバー攻撃の影響を減少させようとしています。
元CIA長官のマイケル・へイデン氏は、インターネットの仮想空間はいわば戦場のようなものであり、アメリカはインターネットを切断する能力を持つべきである、と表明しました。アメリカサイバー軍の司令官を始めとする上層部の数人は、インターネット空間における情報セキュリティという名目で、ある計画を提案しました。この計画は、特別な許可証を持った監視員によるインターネット監視を義務付けるというものです。この計画では、アメリカ憲法修正条項第4条に定められている、インターネットユーザーのプライベート空間が、侵害されることになります。
アメリカは他の国における「インターネット上の自由」なるものに、毎年莫大な予算をつぎ込んでいます。しかし、これについて、どこまでの範囲までを視野に入れているものか、全ての人を対象にした計画なのか、という疑問が浮上してきます。ここで、アメリカの提唱する「インターネット上の自由」の欠陥を示す多くの事例を挙げれば、まっとうに実施されないだろうということがわかります。
昨年、内部告発サイト「ウィキリークス」はアメリカの機密文書を漏洩したことによって、アメリカの厳しい規制を受けることになりました。これらの文書によって多くのアメリカ政府関係者は世界の人々の前で面目を失ったのです。このウェブサイトの創設者、編集者のジュリアン・アサンジ氏に対してアメリカが告発したことから、アフガニスタンやイラクでの活動に関する文書の流出が、アメリカを憤慨させたという事実が証明されています。しかし、政府の怒りがこれで収まることはありませんでした。5つのアメリカの大手経済組織がウィキリークスの資産を凍結することで、ウィキリークスの運営者を経済的な方法で破滅させようともくろみました。しかしながら、このような事件は少なくありません。アメリカ国務省の職員ピーター・ヴァン・ビューレン氏は、イラクでのアメリカの政策の失敗に関する著作を出版したことで、国務省から解雇されたのです。
このことについて、この元アメリカ国務省職員は次のように述べています。「アメリカ政府はインターネット上の自由と、全世界でのインターネット使用者や活動家への支援を目的として、2008年から現在までに7600万ドルの経費を使用している。もっとも、アメリカはアメリカと関係の良くない国でのインターネット自由化のために最大の経費を使っている。しかしアメリカ国務省は、制限の存在しないサイバー空間は好ましいものではない、という結論に達した。そのためサイバー空間内の自由を制限しようとしているのである。アメリカは反対派のウェブサイトを制限するために莫大な予算をつぎ込んでいるが、アメリカのそのような行動は、まさに我々が偽善や欺瞞と呼んでいるものに等しい」
アメリカ財務省は、最近公開された文書の中で、イランの人々を対象としたさらなる情報自由化支援の方法と、実施のために得た許可について説明しています。アメリカ政府は2010年3月に「イランの人々のための情報自由化」なるもののために、一部の法律を変更しました。つまり、この法律により、個人間の情報交換を目的にしたインターネットサービスやソフトウェアを、イランの人々が無料で利用できるようになったのです。アメリカによるこの措置の目的は、イランのイスラム体制に反対する人々を助けることにあります。さらにアメリカは、バーチャル空間上での自由を手にしたイランの人々がいかがわしいサイトに関心を持ち、それによって若い人々の信仰に影響を及ぼしうる、ということも想定しています。
オバマ大統領は、イランの人々に同情し、イランの人々のための情報自由化を打ち出す一方で、社会や経済などそのほかの分野では容赦のない措置を取っています。30年間以上に渡り、アメリカはイランの人々に対して経済、政治、学術などの分野において、様々な制裁を加えてきました。確かにアメリカの制裁はイランの人々やイスラム革命の進歩への妨げにはならなくても、長期間の制裁は、イランの人々にとっては苦難となりえます。例えば、イランの人々のインターネット使用が円滑化され、その措置がアメリカの誠意ある尽力だと知っていても、イランの人々の生命を脅かす航空産業への制裁については、どのように解釈するべきなのでしょうか?
いずれにせよ、アメリカは他の国のためにインターネットの自由化を提起し、その実現を追求しています。アメリカのあるシンクタンクも、詳細な報告において世界におけるインターネットの自由化の戦略、計画と実現のための必要な措置を調査し、アメリカの外交政策にとってインターネットの自由化は必要であることを明らかにしています。
アメリカのシンクタンク「新アメリカ安全保障センター」は、『インターネットの自由化』という報告の中で、世界各国におけるインターネットの自由化と、それに関するアメリカの必要な方策についての調査結果をまとめました。この中で、アメリカがインターネット自由化の全体的な方策を必要としていると指摘されています。それはインターネットが、外交政策において大きな力と影響力を持つ存在に変化したためです。一方でこのレポートには、通信技術の発達は、アメリカに被害を及ぼす可能性がある、諸刃の剣であることも指摘されています。アメリカの政府関係者たちは、外国の政情変化に大きな役割を果たす複雑な通信技術の役割、そしてアメリカの外交政策の目的にてらしたこの通信技術の使い方について、よく理解しなくてはならないのです。
新しい通信技術がオンラインの環境への自由化を助けるというこの考えは、人々を道に迷わせるものです。インターネットの中で、独立国がよりクリエイティブな役割を果たし、思想の自由化をすすめるのは、以前より困難な状況となっています。アメリカによるインターネットの自由化は偽りのスローガンでしかなく、ほぼ実行不可能なものです。なぜならアメリカの外交政策、経済、国民的な政策に対立するからです。さらに、アメリカのインターネット政策は、サイバー空間におけるセキュリティの領域に関係しています。アメリカがインターネットとその自由化についていろいろ主張していますが、実際にはメディアに対するアメリカ政府の恐怖が日々増大しています。またこうした主張はイランを始めとする各国の国民によって、長い間奪われてきた心地よい幻想を、アメリカが取り戻すためのものなのです。
↑<転記終了>