「陸山会」の土地購入をめぐる事件の正しい見方 | レオヤナギさん!どちらへ?

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レオヤナギの転記開始

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2010年 10月 04日


小沢一郎の強制起訴と行政権力の暴走は小沢だけの問題ではない(1)

アルルの男・ヒロシです。

 早稲田大学周辺の「三品」で夕食を取っておりましたら、携帯端末にニュース速報として、「東京第5検察審査会」が小沢一郎・民主党全幹事長について起訴相当の議決を出したというニュースが入ってきました。「サイゾー」が今日にも議決結果公表と朝に流していました。それにしてもいかにも唐突の感は否めない。まず、時事通信の報道から引用する。

(引用開始)

小沢氏、強制起訴へ=検察審が起訴議決-陸山会規正法違反事件
2010年10月4日 時事通信
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201010/05/98/d0033598_106326.jpg

 小沢一郎民主党元幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部が2回にわたり嫌疑不十分で不起訴とした2004年と05年分の同会の政治資金収支報告書の虚偽記載について、東京第5検察審査会は4日、小沢氏を起訴すべきだとする2回目の議決(起訴議決)を公表した。議決は9月14日付。

 昨年5月施行の改正検察審査会法に基づき、今後、東京地裁が指定する検察官役の弁護士が強制的に起訴する。政界の最高実力者とされる小沢氏が国民の判断により、法廷で刑事責任を問われる異例の事態となった。
 当面は小沢氏の進退や野党が求める国会での証人喚問の行方が焦点となる。
 起訴議決は、兵庫県明石市の歩道橋事故、JR福知山線脱線事故などに続き4例目とみられる。
 議決書で同審査会は、虚偽記載を小沢氏に報告し、了承を得たとする元秘書の衆院議員石川知裕被告(37)の供述について、「小沢氏を尊敬し師と仰いでおり、関与を強めたり、罪に陥れたりするための虚偽供述をするとは考えがたい」と指摘。再捜査で供述を維持している点も挙げ、「信用性が認められる」とした。
 一方、土地購入資金4億円の原資に関する小沢氏の供述については「著しく不合理で、到底信用できない」とした上で、「4億円の出所を明らかにしないのは、虚偽記載の動機があったことを示している」と述べた。(2010/10/04-17:36)
(転載終わり)

 ところが、この問題の世田谷の土地の地目が「畑」であった。このことから手続き問題が生じてくる。すなわち次の通りである。

1.平成16年10月29日に農地を取得した小澤一郎が、農地法に則り宅地への地目変更を申請仮登記した。翌17年1月7日に、小澤一郎名義で宅地として登記された。

2.同日付けで、小澤一郎は陸山会に売却。陸山会は、平成17年の政治資金収支報告書に同年1月7日付きで購入金額を記載し、総務省に報告書を提出した。なお、陸山会は「権利能力なき社団法人」なので、登記はできない。

 宅建試験の勉強をやったことがある人なら分かると思うが、市街化調整区域にある農地という地目の変更をした上で登記をしなければならないし、市街化地域でも市町村の農業委員会への届け出は必要である。(陸山会は「権利能力無き社団」(法人ではない)ので権利能力がない。団体名での登記その他の法律行為ができないのである。便宜的に代表者である小澤一郎の名前で登記する必要がある)実はこの部分は宅建試験の本試験でビシバシ出題される項目(権利移動・転用・転用目的権利移動)である。参考までに小田原市のホームページから、関連する項目を引用する。


(引用開始)

農地の転用手続き(農地法第4・5条)

【農地転用とは】

農地等を住宅や工場等の建物敷地、資材置場、駐車場、道水路、山林等農地以外の用途に転用することです。

【許可を必要とする「農地等」とは】

田、畑、樹園地等の農地の他、採草放牧地も含まれます。農地法の適用を受ける農地であるかどうかは農業委員会が状況によって判断します。

【農地転用の方法】

★農地転用許可 … 市街化調整区域内の農地の転用は、許可が必要です。
★農地転用届出 … 市街化区域内の農地の転用は、届出が必要です。

【農地転用許可制度とは】

 農地法では、農地の農業上の利用と農業以外の土地利用との調整を図りつつ、優良農地を確保するために、農地の転用にあたっては、県知事又は農林水産大臣の許可(市街化区域にあっては農業委員会への届出)を要する「農地転用許可制度」を定めています。
 この農地転用許可制度では、農地をその立地条件等により区分し、農地の転用を農業上の利用に支障の少ない農地に誘導しています。
 なお、農地法では、宅地造成のみを目的とする農地転用は原則として許可されません。

★ 農地転用許可制度の内容は次のとおりです。

(農地法第4条)
  
●許可が必要な場合 … 農地の所有者が農地を転用する場合
●許可申請書 … 転用を行う者(農地所有者)
●許可権者 … 県知事(ただし、農地が4haを超える場合には農林水産大臣)
●許可不要の場合 … 県が転用する場合や市が土地収用法対象事業のために転用する場合等

(農地法第5条)

●許可が必要な場合 … 農地、採草放牧地を転用するため売買等を行う場合
●許可申請者 … 売主(農地所有者)と買主(転用事業者)
●許可権者 … 県知事(ただし、農地が4haを超える場合には農林水産大臣)
●許可不要の場合 … 県が転用する場合や市が土地収用法対象事業のために転用する場合等

  http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/industry/agricult/a_c/nochiten.html
(引用終わり)



 ここで、【農地転用の方法】という部分に注目すると、「農地転用許可」と「農地転用届出」 の2種類があることが分かる。そこで気になるのが世田谷の土地が「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかが気になってくる。これについては、登記簿謄本を入手した檀公善氏の解説が役に立つ。これを引用する。

(引用開始)

 まず、【表題部】【②地目】を見ると、「畑」とある。「宅地」ではない。畑のままで所有権の移転ができているわけだから、これは、畑は畑でも市街化区域の畑であることが分かる。この場合、所有権の移転を登記するには、農地法5条により地元の農業委員会に届け出て、受理書を得る必要がある。だから、いずれにしても売買契約書にある平成16年10月29日までに残金3億3264万円を完済しているにもかかわらず、所有権の移転登記はできない。

 そこで【権利部(甲区)】を見ると、順位番号2の上段に、「所有権移転請求権仮登記 平成16年10月29日第77290号、平成16年10月5日売買予約、権利者 岩手県水沢市袋町2番38号 小澤一郎」とある。この日に登記できたのは「所有権移転請求権仮登記」どまりだったことが分かる。

http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/145.html
(引用終わり)

 以上のように、検察審査会は議決で、「平成17年3月ころ、東京都選挙管理委員会において、平成16年分の陸山会の収支報告書に、本件土地代金の支払いを支出として、本件土地を資産としてそれぞれ記載しないまま、総務大臣に提出した」としているものの、そもそも所有権が移転されたむね、正式に登記が行われたのは、平成17年に入ってからである。

 つまり、単に所有権移転登記が行われることを持って土地取引終了とし、その終了を待って、政治資金収支報告書に正確に記載した。会社の決算の締めは会社によって様々であるが、政治資金収支報告書は前の年の12月31日までの収支を3月までに提出すると法律で決まっている。

 だから、陸山会としても書きようがない。私は収支報告書の提出にも何回か携わったことがあるので、いかに政治資金収支報告がいい加減で適当なものかも知っている。その点で陸山会には手続き上、一点の曇りもなかった。

 つまり、農地法の規定があるために陸山会としては土地取引を16年のものとしては記載できなかっただけなのである。この「所有権移転請求権仮登記」が夏前に行われた場合にはおそらく年末までに登記も済んでいたことだろう。この事案を来年の宅建試験に出してみてはどうだろうか。

 こののように、陸山会の収支報告書の「虚偽記載」というものの正体はそれ以上でもそれ以下でもない。検察は一時、当時収監中だった水谷功という中堅ゼネコンの元社長の聴取もやっており、その水谷が塀の中で色々しゃべったようだ。しかし、最初の捜査の段階で起訴できなかったという事実は重い。

 昨今話題になっている前田検事のフロッピー書き換え事件が示すように特捜検察というのは証拠を捏造したり、不利な証言を関係者から引き出して作文調書を作ってでも有罪を導き出そうとする組織である。それでも起訴できなかったということは本当に何もこの件に関してはなかったとみていい。

 ところがマスコミが報道で先走ってしまったために、なぜか「4億円の原資」も検察審査会の議決対象であるかのような雰囲気ができあがってしまっている。9月14日に出されたとする「審査会の議決文」にもそれが色濃く出ている。

 ここで疑問が浮かぶ。「9月14日」と言えば、民主党代表選挙の投票日である。そんな日になぜわざわざ議決を出すのか。しかも、議決後、半月も遅れて発表になっている。なぜか。私はここに大きな謎があると思う。(続く)

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レオヤナギの転記終了