「人が見ると穴倉のなかで冗談をしているようだが
これでも当人の頭の中は
激烈に働いているんですよ。」
え~夏目漱石の「三四郎」の登場人物である
物理学者の野々宮が自己紹介をする場面の台詞ですね。
この(穴倉のなか)を「将棋盤のまえ」にかえると
棋士そのものだなあ、と思ったもんであります。
羽生さん、ホントに永世七冠達成しちゃいました。
天才というものは、常人には計り知れないことを
成し遂げるものですが、それにしても、凄い!
七冠全て制覇するだけでも、とんでもないことなのに
その 全てで永世称号を得た、いや
勝ち取ったのですから、驚愕であります。
羽生さんの凄さは、ボクシング界で例えますと
「マニー・パッキャオ」がなした偉業と同じレベルですね。
実質10階級、約20キロも上の階級を制覇していった
あの奇跡の男であります。
パッキャオはただ勝てばいい、なんて試合は
一度もしませんでした。
自分より上の階級のチャンピオン達 全てに
真っ向勝負を挑み、正面撃破していきました。
羽生さんもまた、勝てばいい、なんて将棋は指しません。
相手の得意な戦法に自ら飛び込んでいき
苦しみながらも勝利を勝ち取る。
まさにパッキャオと同じく正面撃破の積み重ねで
ここまで戦ってこられました。
この相手の得意戦法を逃げずに受けてたつのは
将棋界の歴史の中で、羽生さんただ一人だそうです。
そりゃ、そうでしょう
アウトボクサーがインファイターと闘うときは
いかに潜りこませないか、で闘いますが、言ってみれば
羽生さんは、あえてインファイトに飛び込んで
「そういうことか」と見極めようとするのですから。
まあ、これで羽生伝説の大きな節目は完成しました。
来年はタイトル獲得通算100期が控えておりますが
(これまた、とんでもない記録であります)
落ち着いて見ていける気がします。
22年前、羽生さんが七冠制覇したときに
語られた言葉で感動したものがありました。
「世界一将棋が強いかどうかは
分かりませんが 世界一
将棋が好きでありたい、とは思います」
羽生さん、本当におめでとうございます。
将棋ファンは、あなたと同時代に生きてこれて
本当に良かったと、みんな思っています。


