患者は82歳女性。
主訴は、「10年間使用した義歯は快適だったが、年齢が年齢だけに義歯を新しくしておきたい」とのことであった。

 

担当医は10年前に自らが製作した義歯はまだ使用可能だと診断し説得したが、患者の強い希望を変えることは不可能だと感じ、新たに義歯を製作することとした。

【旧義歯の新製時】

 

担当医は、上顎は右側3番、左側3、4番にマグネットアタッチメントを使った無口蓋の金属床と加熱用レジンのコンビネーションで、下顎は左右側3番相当部に埋入された2ヵ所のインプラントに、ロケーターアタッチメントを使用したオーバーデンチャーとした。

(指示書)

 

弊社に、本症例の上下顎の作業用模型と研究用模型(図1)が届けられ、担当技工士は上下顎の咬合床の製作を行った(図2)。

(図1)

(図2)

 

担当医が咬合採得した咬合床で作業用模型の咬合器装着を行い、研究用模型を参考にして上顎人工歯排列を行った。また下顎は担当医より再度咬合採得と咬座印象を行うとの指示があったため、下顎は咬合床の状態で納品した(図3)。

 

下顎の咬座印象(図4)に、石膏を流し作業用模型を製作し、咬合器装着を行い、下顎の人工歯排列を行った(図5)。

(図4)

(図5)

 

担当医は上下顎の蝋義歯を試適し、咬合状態を確認した後、今度は上顎の咬座印象を行った(図6)。

(図6)

 

上顎の作業用模型を製作し再度咬合器装着を行い、担当医の指示に従い義歯を完成させた(図7)。
また担当医から、完成させた上顎義歯の両側5、6番の機能咬頭と(図8)、下顎義歯の両側5、6番の中心窩をメタルに置き換えるよう指示を受けた(図9)。

(図7)

(図8)

(図9)

 

セット日当日、担当医から「とてもよかったよ!患者様も大変喜んでおられます。」と喜びの報告を受けた。
以前製作した義歯よりも少しでもよい義歯を作りたいとの強い思いで製作させて頂いていたので、担当医からのこの連絡はとても嬉しかった。患者様が今回もこの義歯を使って、長く快適な時間を送られることを心より願うばかりである。

担当歯科技工士:  加藤靖了

 

 

 

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