(写真はコットンボールです)
タオルに使われる繊維の主原料は綿ですね(^^)
綿の木は「あおい科わた属」で栽培は年1回、熱帯・亜熟帯地方で生産され、
世界の繊維生産量の約半分くらいを占めているんです。
綿は
きれいな花を咲かる
↓
実が出来る
↓
実の周りに繊維細胞が細かく育つ
↓
成熟して殻が弾けてコットンボールとなる
コットンボールを摘み取って、種と繊維を分けて、紡績・製糸へ運ばれていくって
感じですw
綿繊維の太さはまちまちですが、平均的には、
太さは0.01~O.O2mmで、長さは20~40㎜です。
(綿の花ってこんなに綺麗!!)
断面はなかが空っぽでリボン状の平になっているので、
軽くて保温性が有ります。
1本の繊維は200~300回の天然のよじれ(天然撚り)が有るので、
糸に紡ぐとしっかり絡み合います。
又、繊維は通常7~10%の水分を含みますが、
水分を除くと94%がセルロース※で構成されています。
セルロース (cellulose) とは、分子式 (C6H10O5)n で表される炭水化物(多糖類)である。植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物である。繊維素とも呼ばれる。自然状態においてはヘミセルロースやリグニンと結合して存在するが、綿はそのほとんどがセルロースである。引用:Wikipedia
セルロースは多数のβ-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子である。構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す。いわゆるベータグルカンの一種。
最近、アメリカでは3年以上合成化学物質を使用しない農地で、
一切合成化学肥料を便わずに、栽培した綿花「オーガニック・コットン」が
生産されており、環境保護の面から評価されています。
●綿繊維の特徴について
「吸水・吸湿性が高い」
「染色性・保湿性に優れる」
「水に濡れると強度を増す」
「帯電しない(静電気が起き難い)」
「肌触りが軟らか」
「適度な保温性がある」
「強度は十分あり、洗濯・漂白が容易」
「高温のアイロンに耐える」
・・・等々
●綿の分類
大きく分類すると、下記の3つに分類されます。
・長繊維綿
ペル-綿の系統で、繊維長が38mmもある高級な品種です。
エジプト綿(ギザ45、ギザ70)、ス-ダン綿(VS、バカラット)ペル-綿(ピマ)、インド綿
(DC32、スピン)アメリカ産ス-ピマ綿、中国産トルファン綿、海島綿(シーアイランドコット
ン)、などで、シルクのような風合です。繊細で上品な風合いを出すものに使用したり、細くて
強度があるので縫製用のカタン糸に使われています。
・中繊維綿
実用性・機能性に富み、用途も広範囲です。
日本の輸入綿花の80%以上がこの中繊維綿です。
アップランド綿といわれるメキシコ綿の系統のアメリカで改良された
繊維長28mmくらいまでの綿がいちばん多く使われています。
オ-ストラリア綿など。
・短繊維綿
インド・パキスタン系のデシ綿といわれる繊維長21mm以下の綿で、
もっとも安い品種です。
太い糸をつくり、ネルやキャンバスに少量使われていますが、
大部分はふとん綿、中入れ綿、衛生材料として利用されています。
(綿花畑は広大な土地で栽培され、水平線のはるかかなたまで続きます)
一般的に良い綿と言われているのは、
繊維の1本1本が細く長く白く強いもので
高級綿は普通細い糸になります。
それは細い糸はもともとの繊維自体が細く長く強いものからでないと作れないためで、
安い短く太い綿からは細い糸は作れません。
また、綿は天然素材ですので、
1本1本の繊維の長さが同じではありません。
繊維長の長いものの中にも当然短いものが含まれています。
その短いものをふるい落とすためにコーマ工程で
長さや方向をそろえる作業をしています。
結構手間のかかる細かい作業が必要になるんですよー
●各国の綿花について
■エジプト綿
繊維が長くて細く、安定した強さを持っており、
絹のような美しい光沢があります。
長繊維綿と超長繊維綿のみを栽培し、
高級綿の代名詞になっています。
■中国綿
世界最大の綿産国です。
土地が広いので品質のばらつきが大きいです。
■米綿
生産地区が広く生産量が多く、
地域によって短綿・長綿・超長綿があります。
サンホーキン(優れた繊維強力)・スピーマ(超長繊維綿)・テキサス・アリゾナ
などがあります。
■インド綿
短繊維の生産が多いですが、10%程度は超長繊維綿を生産しています。
■ペルー綿
アスペロ種・タンギス種・ピマ種・デルセロ種などがあります。
アスペロ・タンギスは世界中の綿花の中で繊度が最も太く、
バルキー性に富んでいます。
タンギスには繊維長の長いものもあり、
太番手のウールライク素材といえます。
■海島綿
シーアイランドコットンともいい超長繊維綿の中でも
トップレベルです。
生産量はきわめて少なく、高価です。
■パキスタン綿
比較的繊維が短く太く、強いです。
アメリカのテキサス綿と並ぶ太番手綿糸短繊維綿の
供給源となっています。
綿花は同じ産地でも畑によって良いものやそうでないものがあります。
俗に言う「ばらつき」があるんですね。
また、産地や品種だけで品質が決定するものではありません。
どれがいいというのでなく綿の特性をしっかりと知り
私たちのニーズに合わせたタオル選びが
快適なタオルライフを送るポイントなんです。
貴重でたくさん栽培できない綿種もあります。
とても日本人に人気な綿種もあります。
現在は米国のスーピマ綿は均斉度が良く天然の撚りと油分が多い
(糸にねばりがある)として好まれています。
独特の光沢感があり、バルギー製も出て人気ですが、
近年は生産数も減り貴重な綿花となってきています。
これらの原綿の性質は基本的なものであり、
原綿の性質のみによって生地品質が決定されるのではなく、
製品になるまでの工程における各種技術の上に成り立っています。
タオルでは、晒・精錬・染色・乾燥の方法、技術に大きなウェイトがあります。
ですので原産国によって品質の良し悪しが決まる
というわけではありませんが、
タオルを選ぶときに、綿の原産国にちょっぴり注目してみるのも
良いかもしれませね♪