皆さま
おはようございます

数日かけて
まとめました^_^。
アップします


チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄あしあとチューリップ黄チューリップ黄




秋海棠 (シュウカイドウ) は


作家・永井荷風の
好きな花


そのことは
いつも  頭のどこか に
あって...



先日  ぐうぜん


「いい旅 姫気分」さんの
ブログに


秋海棠の花が
掲載されているのを
見つけました


ピンク色の可憐な花


(残念ながら、今日のブログには秋海棠の写真なしです)





そのなかに


秋海棠は
断腸花 とも呼ばれる
という記述があり


断腸花! と知って


思いは 一気に


永井荷風に
飛びました


「墨東綺譚」
「つゆのあとさき」
「おかめ笹」


少ししか読んでいませんが

味わいがあり
好きな作家のひとりです






荷風の
「摘録  断腸亭日乗」(日記) は

30代で 手にしましたが


半分読みで
放置したまま...


最近  また発見して
枕元に置いたばかり


荷風38歳から79歳
までの日録


死の前日まで


約40年にわたって
書かれた日記です





食したもの
行きつけの店

交友、人の死に目
作品執筆

読書の記録
世の中のこと

処世観
銭 (ぜに) 勘定?

家族との確執
(かなり、あり)


「日乗」に収められている
荷風執筆の自伝(1929年記)
には


大正3年の秋に

「過って(あやまって)
新橋の妓を妻とした」

という記述がありますが

(翌年に離縁)



「..... 予は定りたる妻なきを以て51歳の現在 1人の児孫もなし」


偏屈で、放蕩無頼だと
自身のことを評した荷風


79歳のとき 自宅で急死


通いの手伝い婦さんに
発見されたようです




(朝日新聞100年の記事にみる⑩ 追悼録 昭和編 朝日新聞社刊 1979)



「断腸亭日乗」を手にとり


いま、あらためて

荷風の


花木や自然への
情感に


目を向けています


日記 (上巻) の
秋海棠についての
部分


1926年、大正15年の
9月26日の記録には


かねてから
ゆずり受けたいと
願っていた
秋海棠の花株がぐうぜんに
手に入ったこと

そして秋海棠・断腸花を
植えたことで

日記の名前である
断腸亭日乗に
ようやく見合うことに
なったと
安堵する様子が見てとれます



原文引用

「... されば今日偶然、これを獲たる嬉しさかぎりなし。大久保の旧居には秋海棠が多かりし故、顔して断腸亭となせしも...」


「.... 今住む麻布の家には胡蝶花茂りたれど、秋海棠なかりしを以って、この日乗に名づけし昔の名もいかがあらむと、日頃思ひわづらひゐたりしが、その憾みも今は満たされたり。」



つづけて


秋海棠を手植えした後の
ひととき



「秋海棠植え終えて  水を濯ぎ、手を洗ひ、....宇治の新茶を、朱泥の急須に煮、羊羹をきりて....、早くもこおろぎの鳴音、今方植えたる秋海棠の葉かげに聞え出しぬ」


庭いじりをされる方なら


このくだり、雰囲気が
よく理解できるのではと
思います



翌年の5月11日には


「去年の秋  清潭(せいたん)子より貰いたる秋海棠  悉く芽を出したり。今年の秋には久しぶりにて断腸花の色を愛づることを得べし」


1928年5月6日
「晴れて風あり。秋海棠の芽生を移植す」



大きな木は
庭師に扱いを頼みながら


福寿草などの
小さな草花は
手植えをしていた荷風です


木々、鳥、虫などの
記述も多く


自然の移ろいに
人生を感じさせて
くれる日記です







いま「つゆのあとさき」の
解説を読んでみたら


「  ....  四季に対する関心は先天的というべく、これは荷風文学の一特徴であり...」(秋庭太郎)

とあります




さて

秋海棠の別名
断腸花の  

断腸とは

腹わたがちぎれるほどに
悲しく つらいこと


デジタルの大辞林や大辞泉
から概略すると...


中国、晋の武将が舟で
三峡を渡ったとき

その従者が 猿の子を
捕まえて 舟にのせた

母猿が、なきながら
そのあとをどこまでも
追ってきて

ついに舟に飛びうつる
ことができたが
息絶えた

その腹をさくと

腸がずたずたに
断ち切れていたという
(中国の逸話集「世説新語」)


母猿の思い
こころに 沁みますね



花の名の由来をネットから
抄訳


中国の「採蘭雑誌」に


あるところに美しい女人が
いて、彼女には誰にも
代え難い思慕する男性が
あり

毎日の逢瀬を楽しみに
待っていたが

故あって
その男性が来ることができなくなった

彼女は来る日も
来る日も待ちわびて

断腸の涙をながし
それが凝って
そこに紅色の花が咲き


その花が
彼女のたたずまいに似た
秋海棠であったと







残念ながら
我が家に秋海棠の花
なく


いま振り返ると


昔、義父が持っていた鉢に
それかと
思う花がありましたが

義父 亡きあと
枯らしてしまい
確かめようがありません



今日の庭の花は
自生している草花の写真

かわいい    風船かずら?





追記

お訪ねしている
写真家・千田慎二さんの
ブログや
ジニアさんのブログにも
シュウカイドウの花を発見



秋、
秋海棠の季節なんですね!
いつか、実物を
目にしたいです


その日まで
秋海棠の写真は
おあずけです


興味のない方には
退屈な内容だったかも
しれません


でも
わたし


あちこち 拾い読みしたり
調べたり、発見したり


荷風がますます
好きになって


愉しいひとときでした


皆さまも

幸せのひとときを ...