瑠璃色の小さな花。春になると庭に咲く、ルリハコベ。
サポニンという毒があり、沖縄では、その毒を利用して、魚を取ったそう。
サクラソウ科の一年草、ヨーロッパ原産。
「名探偵ポワロ」(英国・テレビドラマ)の「スタイルズ荘の怪事件」で、ポワロ(ポアロ)が初めて登場する場面に、このルリハコベ(アカバナ)が出てきます。
(画像、お借りしました)
ポワロは語ります。
「ここにまた一つ、イギリスのことわざを示す例があります」。
(ステッキの先で花を示し)「この花が完全に開いているときは晴天が長続きする、と言われています。この国では、滅多に咲かないんです」
ルリハコベが出てくるのは、このシーンのみ。伏線は微妙。
「スタイルズ荘の怪事件」(1920年発表)は、アガサ・クリスティ(1890-1976)のデビュー作で、「名探偵ポワロ」シリーズ1作目。
エルキュール・ポワロは、第一次大戦期、イギリスに亡命したベルギー難民という設定です。
「ドイツ軍のお陰で、自分の国に住めなくなってしまったんですよ」(スタイルズ荘の怪事件)
また、なぜ、ベルギー人同士で英語を話さなければならないか?という仲間うちの質問に、
「なぜなら、我々はこの国のゲストだからです。イギリス人の信頼を得るためには、彼らと同じようにすべきです」と語らせています。(同じくスタイルズ荘...)
私が観たいくつかの作品には、
外国人でしょ、よそものでしょ、と差別的なニュアンスにさらされるポワロがいます。
アガサ・クリスティが、ポワロをベルギー難民に設定した背景には、彼女の周囲に、そうしたベルギーからの亡命者集団がいたことから思い浮かんだようです。
さて、この歳になって、私は初めてポワロに出会いました。
アガサ・クリスティの小説を一冊も読んでおらず、ヒットした映画も見たこともないまま。
2年ほど前、いろんな内面の作用があって、ポワロを知りたいと思い、YouTubeでポワロのドラマを観たのです。
「スタイルズ荘...」は、落ちついた作りで、風景が美しく、セリフもよく、時代背景も興味深いものでした。
その時、私が観たのは、「世界」というハンドルネームの方がアップしていた英国放送順のドラマ(日本語吹き替え版)の数々でした。
なので、私の愛するポワロは、デヴィッド・スーシェ扮するポワロであり、日本語吹き替えの声のトーンなのです。
ドラマのオープニング画像とテーマ音楽も、好みでした。
そんなふうにしてポワロに親しんだ私は、ポワロ最終作「カーテン」で、その切なさに泣きました。
「カーテン」では、年老いたポワロが病床に伏しているところへ、かつての良き相棒だったヘイスティングスが訪ねてきます。
「モナミモナミ」と言いながら、ヘイスティングスと抱き合うポワロ。
そして、死の床にあるポワロのひとり語り。
「最愛なる友よ、あなたと過ごした時間は、本当に楽しかった。感動の日々でした。」
「時の流れは止められません」
😭
さて、アガサ・クリスティが描くポワロは、プライドが高く、気品を感じさせます。
身だしなみをいつも整えています。
相棒のヘイスティングスに、
「急いで着替えましたね、タイが曲がっていますよ、きちんとしてなくちゃいけませんよ。」と言ったりします。
推理の面白さに加えて、
いろいろな作品に詩的な表現があり、
(「バラに夏の匂いがしていましたもの」杉の棺 )
人生を語る言葉があり、
(「いにしえの罪は長い影をおとすものです」カーテン、「心は孤独な場所です」杉の棺)
批評精神があり、時代を写す鏡としての魅力がありました。
(「レモネード? レモンなんて、(戦争が始まって以来?)もう3年も見たこと、ありませんわ」)
(「いい馬はみんな徴用されたと聞きましたが、農業用の馬は除外されましたのよ」)
(いずれも、スタイルズ荘の怪事件)
アガサ・クリスティの魅力的な言葉のセンスが、ドラマ・シナリオに、よくいかされているように感じました。
終わりに、もう一つ、こんなところにもポワロが!
(画像は借用です)
マリン(男の子)4歳の春
5歳の夏
夜香木の木陰にて
サフランモドキ(ゼフィランサス)10月
サンユウカ(9〜10月)。キョウチクトウ科で有毒
アセロラ(9〜10月)
月下美人(7月)
クワンソウ(9〜10月)
観音竹の葉陰にて
ミント(7月)
ハンギングヘリコニア(7月)
初めてのアガパンサス(6月)
すっかりご無沙汰してしまいました。
ようやくブログの世界に戻って参りました。
先日、ユニークな視点で作品を書かれる詩人・童話作家のブロガーさん(Tさん)からメッセージをいただき、ブログ復活の後押しをしていただきました。有り難うございました。
今年最後と思われる小さなセミたちが10月3日頃、羽化。
柔らかな夜香木の根元付近の、這い出た穴も、とても小さい。穴の数だけ抜け殻があり安堵しましたが、いまだ鳴き声は聞こえず。
セミの幼虫たちの棲家と知ったので、ここの土は、触らずにいようと思います。
マリンが捕まえてしまったセミ。逃してあげました。
今回の記事は、スマホに書きとめたセリフのメモを参考にまとめたものですが、当時の動画は削除されていて、再確認できず。
後に観た別の翻訳版との混同があるかもしれません。ご了承下さい。
前回のブログ訪問も、途中ですので、先にそちらをお訪ねして、皆様のところにご訪問させて頂きます。
皆様、お元気で。


















