父の余命が限られている。


母はとうの昔にこの世を去り、


血を継いだ命は私と姉だけ。


私たちにはお父さん。


色々あってこじれたけど


たった1人の父。


娘として彼の生命の燈に

向き合いつつ、思うのは



彼は世界中、宇宙中で

たったひとりの人間で


その生命がこの世から消滅する。


ということ。


人は独りで生まれて

独りで死ぬ。


運命だけど、


だからこそ、


その人の生命があったことを

人生があったことを



祝福し賞賛する人間が


いるべきだと思って。


親しい友人も、仲間も


ほとんど親戚付き合いもない人。


だから


彼の半生を知っている


私と姉は


彼がこの世を去った後、


彼が本当にこの世に生きたという


証拠の


生き証人になるのだと思う。


その役目だと思う。


私だけじゃなくて、姉にも


今私がおもってること


共有できたらな。


って思った。


もう父とも私とも

関わりたくないのは


知ってるけど。


「父」として


じゃなくて


ひとりの「人」として。


人生が逝くのを


温かく送って欲しいって。


言葉で

うまく、伝えられるか

分からないけど


伝わるように


言葉だけじゃない

ありったけの気持ちを


拙い言葉に託して伝えることにした。