口渇が止まらない
深夜のバーで猥談になる
苦笑いしながら店主はショットの準備をする
慌ててノンアルコールカクテルを飲み干しても
動悸と口渇は変わらない
憎むべきは自分の正直過ぎる躰
貴方の声だけで記憶が洪水のように押し寄せた
まだ、何も知らなかった時の切なすぎる感情。
名前をつけることさえ出来ない感情
胸を激しくかきみだす
なのに質問は止まらない
適当に返すが、記憶の洪水は止まらない
甘い記憶。若かった私は相手に感情まで明け渡したたばこの匂いとスプレーのりの甘い匂いが自分にまとわりつく
モブが尚も質問を止めない
貴方もワルノリして一緒に質問している
はたから見れば痛い立ち位置
言えずにいた思い
知ってるくせにと思いながら最大限におどけて返すと、モブが爆笑してくれた
昔の記憶が生々しく甦る
今日はずっと忘れていたかった甘美な切なすぎる思い出
子供は可愛いと父親の顔をする貴方は目に入らない
モブが呆れていても気付かない

貴方の指や声が記憶を呼び覚ます
胸はかきみだされて息をするのもやっと
…違う、おまえじゃない
変わらない笑顔で爆笑する貴方

貴方の寝顔が、声が、指が、本能を呼び覚ます

おまえに触れられたところで不快なだけなんだよ
セフレでも抱いてりゃいいんだよ
口から出そうになった暴言を必死で飲み込む

貴方は可愛いお嬢さんに夢中で気付かない
もう、何時間も前に思考回路なんて停止している